第二百八十四話
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第二百八十四話 ドーム破壊
遂にドームに辿り着いた。そうしてであった。
まずカイザージョーが動いた。そのドームを上から思いきり踏みつけた。屋根が突き破られ大穴が開いた。
「まずはこれですか」
「オーソドックスにじゃ」
博士は今度はワインを片手に観戦を楽しんでいる。何気に優雅である。
「こうしてみたのじゃよ」
「成程、そうだったんですか」
「左様じゃ。そしてじゃ」
「そして?」
「次はじゃ」
こう言ってであった。次はだ。
エンペライザーがドームを攻撃する。大穴が開いていたドームがここで大破した。もう修理費について考えることが馬鹿馬鹿しいレベルになっている。
カイザージョーとエンペライザーの攻撃が続く。ドームは最早残骸になっている。
その下では東京都民とキャスター達が騒いでいる。博士達はそれを観て言うのだった。
「ふむ、いいのう」
「注目されているからですか」
「こうしたことは注目されんと意味がない」
博士はこう言うのであった。
「やはりじゃ」
「それじゃあ注目されないと何もしないんですか」
「うむ、注目されるようにするだけじゃ」
鳴かぬなら鳴かせてみせようであった。博士はこちら側の考えなのだ。
「騒ぎを起こしてじゃ」
「騒ぎを起こせば人が来るからですか」
「注目されん騒ぎなら注目される騒ぎにする」
そうするというのである。
「それだけじゃよ」
「じゃあこれからですね」
「ふふふ、面白いのう」
博士は今の騒ぎを楽しんでいた。そもそも騒ぎ自体が好きであるらしい。
「この騒ぎはのう」
「今度はガメオですね」
「総攻撃を全て消し飛ばす」
それをするというのだ。
「まさに跡形もなくじゃ。欠片さえも残さんぞ」
「じゃあ跡に残るのは」
「更地じゃ」
それだというのだ。
「よいぞよいぞ」
「いいんですか」
「うむ、よいぞ」
また言うのであった。
「これでよいのじゃよ」
「ああ、今総攻撃を仕掛けてきましたね」
ガメオの総攻撃だった。それで本当に跡に残ったのは更地であった。実に見事な有様であった。ある意味壮観である。
「本当に何一つとして残りませんね」
「さて、次はじゃ」
博士はまだ満足していなかった。
「本社じゃな」
「第二幕ですね」
「今度はあのマスコミ界のドンとやらだけは吹き飛ばしておきたいのじゃがのう」
「ええ、確かに」
小田切君は珍しく博士の暴挙に賛成した。
「あいつだけは本当にそうですね」
「まあ逃げておるに決まってるがな」
それでもそう思う博士だった。だがそれだけは叶わなかった。
第二百八十六話 完
2010・4・26
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