第二十八話
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第二十八話 戦いは終わったけれど
博士は一応は寝ている。しかし起きているのと変わりがない。
「いいか、小田切君」
小田切君に対して声をかける。
「今度の発明は実験をあるテロ支援団体のビルでやるぞ」
「待ってよ、そこって」
こればかりは美奈子も眉を顰めさせる。
「何処なのよ、まさかあの国の」
「美奈子、それ以上はまずいわよ」
今度は華奈子が突っ込みを入れる。役が逆になっていた。
「それ以上言ったら」
「けれどねえ」
それでも美奈子は言わずにはいられなかった。あまりにも洒落にならない話だったからだ。
「危ないなんてものじゃないでしょ、これって」
「まあそうだけれどね」
華奈子に答えはするがそれでも危険なものを感じずにはいられないのであった。
「それでもちょっと」
「それか自衛隊の演習場を無断で借りてだな。何、わしの偉大な発明の為じゃ。法律の十や二十は」
「言っておくけれどこれ実際にやってるから」
小田切君はそう解説を入れる。事実だから仕方がない。
「だからこの博士は問題なんだよ」
「それにしても。お酒に弱いのね」
「いや、強いことは強いんだ」
小田切君は華奈子にそう述べる。
「寝ながら飲むし二日酔いも全然しないし」
「どんな飲み方なのよ」
「非常識よね」
「この博士に常識はないよ」
小田切君はまたしてもとんでもないことを言う。しかもその通りなのだから始末が悪い。
「まあこれで戦闘はできなくなるから。安心してね」
「そうなんですか」
「それでも全然変わらないって」
春奈と赤音はそれを聞いてもまだ違和感を抱いていた。今も実際に博士は目の前でとんでもない寝言を目を開けながら立って言っているのである。
「とにかくこれで今回は終わり?」
美樹は今更ながらエンペライザーがいなくなったことに言及してきた。
「相手もいないし」
「そうだね。ああ、博士は敗北って言葉は知らないから」
何処までも始末の悪い博士であった。始末の悪さでは某新聞社の主筆や某国家の将軍様と同じレベルであった。これもかなりとんでもないことであった。
「今回は引き分けってことになるよ」
「引き分けですか」
「また気が向いたら戦い挑んでくるから」
「あれ、博士からですか!?」
梨花がそれに問う。逆の立場ではないかと思ったのだ。
「何でまた」
「博士は相手が誰であれ楽しめたらそれでいいから。敵がいると燃えるんだ」
「まんま悪の科学者なのね」
華奈子はそれを聞いて呟く。
「またとんでもないっていうか」
「だから一応何時戦いになるかどうかわからないってことだけは頭に入れておいてね。それじゃあまた」
「決めた!竹島で実験をするぞ!」
去り際にも爆弾発言を置く。何
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