第22話
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顔面目がけて突き出す。
麻生は簡単にかわすと左の拳を一方通行の顔面に繰り出す。
麻生と一方通行の間で凄まじい衝撃が生まれる。
一方通行の反射は相手が強い攻撃すればするほど強く反射される。
二人の周りの地面が少しずつ抉れていく。
それほどまでに麻生の拳の衝撃がうかがえる。
なのに、麻生の身体は吹き飛ぶことなくそのまま拳を前に突きだしている。
(反射は適用されている。
それならどうしてアイツの身体は吹き飛ばねェンだよ!?)
すると、一方通行の耳に骨が軋む音や折れる音が聞こえた。
他の誰でもない麻生の身体中の骨が悲鳴をあげているのだ。
地面が抉れるほどの衝撃を受ければ指は折れ、腕も折れ、身体の骨は軋み、やがてひびが入るだろう。
その衝撃は骨を通り越して臓器まで伝わる。
それほどのダメージを受けているのに、麻生の身体は吹き飛ばず前に進もうとしている。
麻生は身体が後ろに吹き飛ぶベクトルをただ前に変換しているだけで、骨などは能力の治癒で治療させ続けている。
それでも痛みが無くなる訳ではない。
想像絶する痛みの中、麻生は拳を前に突きだしている。
そして少しずつ、だが確実に前に進んでいた。
一方通行は自分の反射の壁を補強するかのように、全演算式を反射の壁の補強に回す。
それでも麻生の拳は止まらない。
「俺はあいつのように綺麗事は言わない。」
一方通行ではなく自分に言い聞かせるように呟く。
「だが、俺は決めたんだ。
俺に助けを求める人がいるのなら俺は全力でその人を助けるってな。
そして美琴は俺に助けを求めていた。
だからお前を倒して計画を破綻にしてあいつを救うんだ!!」
麻生の拳は一方通行の反射の壁を突き破り、顔面に突き刺さりそのまま後ろのコンテナまで吹き飛んで行った。
次の日の朝、麻生はリンゴを片手に持ちながら病院の中にいた。
入院している上条にお見舞い(といってもリンゴの皮を剥くだけだが)をしにきたのだ。
受付で上条の病室を教えて貰い、そこに向かう。
上条の病室が見えてきた所で、その病室から美琴が出てきた。
美琴は廊下に麻生がいる事に気がついて話しかける。
「あんたもお見舞い?」
「そんなところだ。」
「なら、あいつは麻酔で寝てるからあまり意味ないわよ。」
それを聞いた麻生はリンゴをじっと見つめると、美琴に放物線を描くように投げる。
「それならお前が食べてくれ。」
リンゴを美琴に渡すとそのまま寮に帰ろうとする。
だが、美琴が麻生を呼び止める。
「ま、待ちなさいよ!!
わ、わた、私
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