第二百六十七話
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第二百六十七話 変わったトレーニング
華奈子はそうしたものを書いていく。その中でだ。
「ううん、どうかな」
「どうかなって?」
「どうしたんだよ」
タロとライゾウは彼女の傍にいる。机に座る彼女の横に座っている。
そのうえでだ。彼等に言うのであった。
「どうかな」
「いや、それだけじゃかなり」
「わからないけれど」
二匹の言葉もかなりであった。
「まあ頑張ってるんだね」
「それはわかるけれどな」
「どうなのかしら」
ここでまた首を傾げさせる華奈子だった。
「こうした修業って」
「ああ、それも修業だよ」
しかし二匹はここでまた彼女に言った。
「頭の中でするのもね」
「結局書くのもな」
「学校のお勉強みたい」
華奈子はこんなことも言うのだった。実際こんなふうにも感じていたのだ。
「これって」
「ああ、確かにね」
「それはその通りだね」
「つまり学校の勉強も」
「大事だってことだよな」
「そうなるの」
それを聞いてであった。あらためて考える顔になる華奈子だった。そのうえでの言葉であった。机に座ったまま二匹に話しているのだ。
「やっぱり」
「御主人は学校の勉強は好きじゃないけれど」
「そっちは大丈夫なの?」
「大丈夫よ」
それは大丈夫だというのだ。彼女もだ。
「それはね」
「けれど学校の勉強はできないよね」
「それは」
また言う二匹だった。
「それはね。そういう勉強は嫌いなのよ」
「魔法はいいんだね」
「そっちは」
「うん、いいの」
それはいいとしてであった。
「あたしこっちは好きだから」
「ああ、つまりあれだね」
「だよな」
タロとライゾウはそれぞれ顔を見合わせて言い合った。
「好きこそね」
「ものの上手だよな」
そういうことだった。華奈子はそうなのであった。
第二百六十七話 完
2010・2・27
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