第21話
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ている御坂妹がいた。
美琴は駆けより御坂妹に言った。
「お願い、起きて。
無理を言っているのは分かっている。
自分がどれだけひどい事を言っているのかも分かっている。
だけど、一度でいいから起きて!!
アンタにやって欲しい事があるの。
ううん、アンタにしかできない事があるの!」
誰一人欠ける事なく、何も失うものなく、みんな笑って、みんなで帰るためには。
「たった一つでいい、私の願いを聞いて!
私にはきっと、みんなを守れない。
どれだけもがいてもどれだけあがいても、絶対に守れない!
だから、お願いだから!!
アンタの力でアイツの夢を守ってあげて!」
御坂妹は断続的に途切れる意識の中で確かにお姉様の叫びを聞いた。
御坂妹は嫌だな、と思ってしまった。
こんなちっぽけな命が失われたくらいで哀しむ人が出てくる事を知ってしまったら、もう死ぬ事などできなかった。
守るべきものを見つけ、そして守る為に御坂妹は四肢に力を込める。
「その言葉の意味は分かりかねますが、何故だか、その言葉はとても響きました、とミサカは率直な感想を述べます。」
御坂妹は美琴の右手を握りしめる。
そしての握りしめた手にもう一つ手が重ねられる。
「俺もその言葉、結構響いたぞ。」
もう一人の主人公、麻生恭介がその言葉に応えるかのように駆け付けた。
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