第21話
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チ殺すタマがここに。
この手で大気に流れる風の「向き」を掴み取れば、世界中に流れる風の動き全てを手中に収める事ができれば世界を滅ぼす事だって可能。
学園都市最強?絶対能力?そンなモンはもォいらねェ!
一方通行を止められるものなンざこの世のどこにも存在しねェ!!」
自分の開いている左手を月を掴むかのように力強く握りしめる。
「世界はこの手の中にある!!」
ゆっくりと立ち上がると良い事を思いついたのか悪魔のような笑みを浮かべる。
「空気の圧縮、圧縮ねェ、イイぜェ愉快な事を思いついた。
なンだよそのザマはァ!!立てよ、最弱ッ!!
オマエにゃまだまだ付き合ってもらわなきゃ割に合わねンだっつの!!」
学園都市の風が一方通行の頭上に集まる。
その時だった。
「一方通行!!!」
その後ろで美琴が超電磁砲の構えをとっていた。
「やめろ・・・御坂・・・」
声が聞こえた。
死んでしまったと思った上条の声だった。
美琴はそれを聞いて一安心する。
上条はあの鉄橋で言った。
「何一つ失う事なくみんなで笑って帰るってのが「俺」の夢だ。」
結局、自分のせいで上条の夢は叶いそうにない。
誰もが笑って誰もが望む、最高に幸福な終わり方はないのか?
誰一人欠ける事もなく、何一つ失うものもなく、みんなで笑ってみんなで帰るような、そんな結末はないのか?
そうぼんやりと美琴は考えた。
その考えを振り払うように超電磁砲を構え直そうとした時だった。
一方通行の頭上にある事が起きていた。
高電離気体が出来ていた。
周囲の空気中の「原子」を「陽イオン」と「電子」へ強引に分解し、高電離気体へと変貌させてしまう。
美琴が電撃を用いて高電離気体を元に戻したところで、一方通行はすぐに新しい高電離気体を作るだろう。
高電離気体を防ぐには風を操る必要がある。
美琴は電撃を操る事ができても風は操れない。
どうすればいい?と美琴は考えそして思いついた。
だが、これは美琴が実行する事ができない。
なぜならこの戦いに超能力者である美琴が関われば、実験を中止させる事が出来ないかもしれないからだ。
超能力者の美琴が関わっている事が分かれば、研究者達は超能力者のおかげで倒せたのだと判断する。
つまり、一方通行が最弱である事を証明していないのだ。
御坂美琴が関わってならないのなら、これは御坂妹にしかできない仕事だ。
美琴は振り返る。
そこにはうつ伏せに倒れ
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