第二百六十五話
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第二百六十五話 イメージ
「考えてみるんだよ」
「考えるって?」
「何を?」
華奈子とタロはライゾウに対して問い返した。
「何を考えるのよ」
「いきなり言ったけれど」
「つまりだよ」
ライゾウはそのまま一人と一匹に話す。
「ここはさ。イメージするんだよ」
「イメージって?」
「御主人今一人だよな」
「ええ」
それはどうしても覆せないことである。彼女が今一人でいることはどうしてもだ。だからこそ悩んでもいるからである。そのことはどうしようもなかった。
「そうだけれど」
「だったら想像、イメージだよな」
「それをするっていうの?」
「いると思ってな」
こう言うのである。
「それでやってみたらどうだよ」
「美奈子がいるって思うのね」
ここまで聞いて話を理解してきた華奈子だった。
「つまりは」
「そういうことさ。これでわかったよな」
「そうね。何かそれって」
「それって?」
「それはそれでトレーニングになりそうね」
こんなことを言うのである。
「どうやらね」
「そうだろ?美奈子さんがいるって想像するよな」
「ええ」
「それもまたいいんだよ」
ライゾウは笑顔で話す。
「美奈子さんがどう動くかとか想像しながらな」
「魔法を使って練習するのね」
「それでどうだよ」
ライゾウはさらに話す。
「やってみるか?」
「そうね」
華奈子はライゾウのその言葉にこくりと頷いた。
「それじゃあね」
「よし、旦那はどう思うんだい?」
「ああ、僕ね」
「旦那はどうかな」
「僕の考えだと」
ここでタロも自分の考えを言うのだった。彼も考えているのだ。実にしっかりとした使い魔達である。
「それだけじゃなくてね」
「それだけじゃなくてか」
「うん、パターンかな」
こんなことを言うのだった。
「パターンを考えていったらどうかな」
「パターンって?」
「いいかな」
主人である華奈子に対しても話す。
「それはね」
そしてその話は。タロもまた自分の考えを述べるのであった。
第二百六十五話 完
2010・2・20
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