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対決!!天本博士対クラウン
第二百五十九話

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 二匹の修行というとだ。まずはであった。
 何はともあれランニングからだった。ただのランニングではない。
 街の家々の屋根の間を飛びその上を駆ける。電線の柱を台にして跳んだりもする。
 そして下に下りては狭い溝の中を駆ける。川を泳ぎ狭い道も駆ける。そうしたランニングだった。
 その中でだ。ライゾウがタロに言う。
「なあ旦那」
「何?」
「旦那もかなりやるな」
 彼のその動きのよさに対する言葉である。今二匹は歩道橋の上を駆けている。
「犬なのに狭い道もさ」
「甲斐犬だからね」
 タロは元々この犬であるのだ。黒犬である。
「だからね」
「甲斐犬だからだってのかい?」
「そうだよ。甲斐犬は元々狩りとかに使われててね」
「そうだったのか」
「うん、山の中を駆けたりもしたから」
 犬としてはわりかし小柄だったりするのである。
「だからね。こうした場所もね」
「平気だってのか」
「そういうこと。そういうライゾウだって」
 今度はタロからライゾウに話すのだった。
「随分頑張ってるじゃない」
「猫だからこういう狭い場所とかは得意なんだよ」
「違うよ、体力だよ」
 彼がライゾウに言うのはこのことだった。
「犬の僕と一緒にずっと駆けてるじゃない」
「ああ、おいら達兄弟は体力はあるんだよ」
 こうタロに答えるライゾウだった。今度は川の中を泳ぐ二匹であるがその泳ぎも見事である。少なくとも溺れるようなことは全くない。
「それはな」
「そうだったんだ」
「スコティッシュフォールドは動きが鈍いけれどな」
 猫にしては、ということである。
「それでもおいらもあの博士のところにいる兄貴もな」
「体力はあるんだね」
「ああ、そうさ」
 まさにその通りだというのである。
「だからな。旦那にもな」
「合わせられるんだね」
「そういうことさ。それじゃあな」
「うん、それじゃあ」
「さらに先に行こうぜ」
 こう言ってさらに先に進む。結局その川は泳ぎきるのだった。川からでて身体を振って水を飛ばしてからまた駆けはじめるのだった。
 そうして学校に入る。そこは華奈子達の通っているその小学校である。
 そこに入りだ。そのうえで。
「アスレチックだね」
「そうだな」 
 学校の鉄棒やそういった様々な遊ぶ器具に向かう。今度はそちらを使うのであった。


第二百五十九話   完


                  2010・2・2
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