第二百五十三話
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第二百五十三話 戦いの後では
戦いが終わって華奈子達は何をしたかというとだ。
「それではです」
「いいですか?」
今田先生と今日子先生が二人に声をかけてきたのである。
「これから」
「お茶にしますよ」
「えっ、お茶って」
「お茶なんですか!?」
六人はそれを聞いて思わず驚きの声をあげてしまった。
「お茶って」
「今からですか」
「はい。それが何か」
「どうかしましたか?」
いつもの穏やかな顔で尋ねる先生だった。
「お茶にしますけれど」
「それが何か」
「いえ、お茶って」
「戦いがあったんですけれど」
その直後である。それで六人はまだ気持ちが落ち着いていないのである。それで先生達の言葉に困惑した顔を向けているのである。
「それでもなんですか?」
「あの、それでいいんですか?」
「そうですけれど」
「嫌なんですか?」
「嫌っていうわけじゃ」
まず答えたのは華奈子だった。
「そうじゃないですけれど」
「少し」
今度は美奈子も言ってきた。
「時間を置いた方がいいんじゃ」
「いえ、今です」
「今でいいのです」
しかしそれでも穏やかな微笑みのまま言う先生達だった。
「ですから」
「今から」
「はあ。それじゃあ」
「私達は別に」
華奈子と美奈子だけではなかった。他の面々も頷くのであった。
そうしてであった。話は先生達のペースで進む。
「お茶はですね」
「香ちゃんのお家で飲みますよ」
「香ちゃんって」
「今田先生のことじゃない」
美奈子が華奈子に囁く。
「それはわかってるんじゃないの?」
「わかってるわよ。ただ」
「ただ?」
「その呼び方に驚いてるのよ」
そうだというのである。とにかく話はかなりややこしくなるところだったが終わりは実に素っ気無いまでに穏やかなものであった。何はともあれ皆は今田先生のところでお茶を飲みに向かった。
第二百五十三話 完
2010・1・11
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