第二百五十話
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第二百五十話 博士はそれを見て
ガメオは次第に押されてきている。それを見た博士は。
「ふうむ」
まずは腕を組んで考える顔になっていた。
「これは」
「これはって?」
「面白いことになってきたのう」
こう話すのだった。
「これはじゃ」
「面白いんですか」
「左様」
こう小田切君に返すのだった。
「これはじゃ」
「何か余裕ですね」
また言う小田切君だった。
「ガメオが危ないのに」
「危なくてもそれでもいいのじゃよ」
平気な顔で言うのである。
「楽しいからのう」
「楽しければ何でもいいんですか」
「うむ、それでよい」
実に博士らしい返答だった。
「それはじゃ。いいのじゃよ」
「ガメオが破壊されてもですか」
「確かにそれは悔しいことじゃ」
そのことは言う。
「しかしじゃ。それでもじゃ」
「楽しければいいんですね」
「そういうことじゃ」
何処までも博士は博士であった。それ以外に言い様がなかった。
そしてであった。さらに言うのであった。
「そうしてじゃ」
「そうして?」
「ここで負けたら今回はじゃ」
「また何か出すんですか?」
「これで終わる」
それでいいというのである。
「これでじゃ。終わるのじゃ」
「あれっ、あっさりとしてますね」
「ガメオの性能のチェックでもあったからのう」
だからだというのである。
「だからじゃ。それでいいのじゃよ」
「そうですか。それで満足ですか」
「うむ、それではじゃ」
博士はまたワインを出して来ていた。グラスもである。それを空けて早速出してである。そうして一杯ずつ飲んでいくのであった。
そうしながらまた。博士は言った。
「さて」
「さて?」44
「飲むか、小田切君も」
グラスをもう一個出してきての言葉である。
「どうじゃ?」
「あっ、いいんですか」
「うむ、飲もうぞ」
こう言って勧めるのであった。小田切君もそれを受けて飲むのだった。
第二百五十話 完
2009・12・27
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