第二百四十七話
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第二百四十七話 核はどうか
ファンネルでの攻撃が続く。小田切君はその猛攻をモニターから見ながらふと思うのだった。
「そういえばですね」
「何じゃ?」
「このガメオですけれど」
またガメオについて尋ねるのだった。
「色々な武装持ってますけれど」
「うむ」
「核はないんですか?」
それを問うのである。
「それは持ってないんですか」
「核兵器は搭載しておらんよ」
それはないという博士であった。
「それはじゃ」
「そうですか、ないんですか」
「うむ、ない」
そしてまた答えた。
「それはないぞ」
「珍しいですね、博士が核使わないなんて」
「そうかのう」
「毒ガスとかもないですよね。化学兵器も」
どれも博士が好む兵器である。
「そういうのも一切」
「趣向を変えてじゃ」
だからだというのである。
「それでガメオにはじゃ」
「そういうものは一切ですか」
「まあ核は何時でも装填できる」
ただしこんなことも言うのだった。
「毒ガスとかもじゃ」
「装填はできるんですか」
「ミサイルに備え付ければ一発じゃ」
実に簡単に言ってみせたのである。
「それで終わりじゃからな」
「そうですか。それじゃあ今は、ってことですか」
「気分次第で装填するぞ」
これまた簡単に言ってのける。
「あの北の独裁国家相手にはよいのう」
「またあそこの国ですか」
「嫌いじゃからな」
まさにそれだけだという。
「じゃから徹底的にじゃよ」
「それじゃあ暴力団の事務所には」
「今まで通りじゃよ」
実に素っ気無い。
「それこそ毒ガスでも何でもな」
「それは変わらないんですね」
「うむ、変えるつもりもない」
そもそもそんなつもりもなかった。
「そういうことじゃよ」
やはり博士は博士であった。それがよくわかる会話であった。
第二百四十七話 完
2009・12・19
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