第二百三十八話
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第二百三十八話 ガメオ
六人とそれぞれの使い魔達の前に出て来たものは。これまでにないシルエットのロボットであった。
その巨大な黒いシルエットを見て。まずは赤音が言った。
「四つ足ね」
「そうね」
彼女の言葉に春奈が頷く。
「あれって」
「四つ足のははじめてだけれど」
「あれはかなり」
梨花と美樹は早速ロボットの戦力を見ようとしていた。
「強いわね」
「そうね。間違いなく」
それはわかるのだった。ロボットは彼女達の前にもう位置していた。
まだ攻撃は仕掛けては来ない。だがその威圧感は尋常なものではなかった。
凄まじいプレッシャーを感じながら。華奈子が美奈子に言ってきた。
「ねえ」
「どうしたの?」
「あれ、どう思う?」
こう尋ねたのである。
「あのロボットは」
「そうね。さっきのロボットよりもまだね」
「そうね、強いわね」
「それは間違いないわ」
二人共そのロボットから目を離さない。
「戦っててもそう簡単には」
「勝てないのね」
「結界の力を強くしましょう」
まず彼女が言ったのはそれだった。
「結界のね」
「攻めないの?」
「今は止めた方がいいわ」
こう華奈子に答えた。
「今はね」
「様子見ってことね」
「そういうこと。下手をしたら攻めているその間に」
美奈子は楽観していなかった。現実を考えかなりシビアになっていた。
「向こうの攻撃でやられることもあるから」
「あたしとしては攻撃は最大の防御だけれど」
アグレッシブな華奈子らしい意見であった。
「それでも。今はね」
「わかってくれたわね」
「ええ、よくね」
華奈子をしてもそう言わせる、それだけのものが今出て来たロボットにはあるのだった。六人の中で最も攻撃的な彼女でさえもである。
「何か。何をしてくるかわからないから」
「じゃあ皆」
美奈子が他のメンバーに告げた。
「まずはね」
「ええ」
「それじゃあ」
まずは赤音と春奈が応える。次に梨花と美樹だった。
「結界をさらに強くさせて」
「守りましょう」
「様子を見ましょう」
あらためて皆に告げるのだった。
「ここはね」
「そういうことね」
最後に華奈子が頷く。こうして六人はまずは結界をさらに強いものにするのだった。
第二百三十八話 完
2009・11・16
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