第二百三十七話
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第二百三十七話 それで出て来たのは
「さあ、それでじゃ」
「ガメオですね」
「うむ、発進させる」
そして今そのロボットが出て来た。それは。
「あれっ、今度はこの形なんですか」
「どうじゃ、これは」
「そうですね。正直驚きましたね」
そのロボットのシルエットを見て言った小田切君である。
「この形にするっていうのは」
「わしはいつも同じものを造ることはせん」
この辺りが博士のこだわりだった。
「こうして常にじゃ。違うものを造り続けるのじゃよ」
「常にですね」
「そうじゃ」
誇らしげに胸を張って言うのはこうした時の博士の常である。
「そういうことじゃよ」
「そうですか。それでなんですね」
「どうじゃ?これで」
あらためて小田切君に問うてみせるのだった。
「このロボットで」
「外見は面白いですね」
「そして外見だけではないのじゃよ」
それだけでは絶対に終わらせない博士であった。
「カイザージョー、エンペライザーと並んでじゃ」
「物凄い性能なんですね」
「一体でオーストラリア大陸全土を一時間で沈めることができる」
まさに戦略兵器である。一歩間違えなくとも何処からか光の戦士が来て倒されてもおかしくはないようなとんでもないマシンである。
「簡単にじゃ」
「それをあの娘達に向けるんですか」
「エンペライザーを倒したのじゃ。いいじゃろう」
だからだというのである。
「これを出してな」
「まあ別にあの娘達を殺す気とかはないんですね」
「それはない」
ないというのであった。
「これがそこいらの暴走族や暴力団だったらじゃ」
「容赦しないんですね」
「一人残らず踏み潰すところじゃ」
そうした人種に対しては個人的嫌悪感から一切容赦しない博士であった。
「しかしあの娘達はそういう相手ではないからして」
「殺しはしないんですね」
「遊ぶだけじゃ。それだけじゃよ」
「遊びですか」
実はそこにも引っ掛かるところのある小田切君だった。
「遊びで戦略兵器出すんですね」
「遊びは徹底的にやるものじゃよ」
これもまた博士のポリシーだった。
「じゃから」
「わかりたくないけれどわかりました」
「うむ、出たぞ」
こうしてそのロボットが出撃した。そうして華奈子達の前にその姿を現わすのだった。
第二百三十七話 完
2009・11・16
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