第二百三十三話
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第二百三十三話 その頃先生達は
華奈子達が博士の誇るエンペライザーと対峙していた頃。今田先生と今日子先生は実に気楽にお茶を飲み続けていた。しかしであった。
「香ちゃん」
「ええ、今日子ちゃん」
穏やかな中に少し緊張が漂ってきていた。
「あの娘のことね」
「ええ。エンペライザーは」
「倒せるわ」
それはできるというのである。
「ただ」
「その次ね」
「ええ。次は」
「難しいわね」
それを言う今日子先生だった。
「エンペライザーも強いけれど次のはもっと」
「そうね。それにしても」
今田先生も言う。
「あの博士って本当に」
「ええ。やっぱり天才ね」
博士が非凡な科学者であることは認めるのである。ただしその非凡さが人類にとって甚だ有害なものであるのが大きな問題なのである。
「それは事実ね」
「ええ。確かに」
それは確かに認めている。
「ただ」
「ええ、ただね」
「それが華奈子ちゃん達にとって」
「あれが出た時ね」
また言う今日子先生だった。
「出ましょう」
「ええ。あれは私達じゃないとね」
「相手にできないわ」
「まずね」
今田先生も頷く。
「だからね」
「ええ、ここは」
「行く準備はできてるから」
「箒に乗っては無理よ」
「わかってるわ」
それは当然だと返す今田先生だった。
「瞬間移動を使いましょう」
「そうよ。一気にワープして」
「それで行きましょう」
「博士のところにね」
こう話して身構えているのであった。だが今は。
「じゃあ今はお茶を」
「飲みましょう」
「出番が来るまでね」
「ええ」
こう言い合ってにこやかにお茶を飲む。そうして過ごすのだった。
第二百三十三話 完
2009・11・2
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