第二百二十九話
[8]前話 [2]次話
第二百二十九話 エンペライザーの攻撃
その巨大ロボットが動きはじめるとだった。
六人は演奏をしながらも警戒の念を出した。そうしてだった。
「来るわね」
「踏み潰して来るのかしら」
「いいえ、これは」
ここで美奈子は言った。そうではないと。
「違うわ」
「じゃあ別の方法!?」
「だとするとそれは」
まずはいきなりジャンプしてきた。そうして。
その両手から激しいミサイルを繰り出してきたのだった。空から地面へ。
「ミサイル!?」
「それも何て数」
見れば百発は優に超えていた。それだけのミサイルを放ってきたのだった。
しかし六人はその結界の中から動こうとしない。あくまでその中にいた。
「いい、皆」
「うん」
梨花の言葉に春奈が頷く。
「何があってもよね」
「そうよ。結界から出たら駄目よ」
彼女が言うのはこのことだった。使い魔達はその結界の中で六人の奏でる音楽に合わせて踊り続けていた。彼等も頑張っていた。
「使い魔達を信じてね」
「そういうことね」
赤音は美樹の今の言葉に応えた。
「ここは何があってもね」
「そうよ。絶対に大丈夫だから」
その使い魔の作り出している結界はということである。六人は一心に演奏を続けている。その軸になっているのはやはりヴォーカルの二人だった。
華奈子と美奈子はそれぞれのサックスやフルートを奏でそのうえで歌う。そしてその中で華奈子は美奈子に対して言ってきたのだった。
「ミサイルが来たわね」
「わかってるわ」
静かに双子の相方の言葉に頷く美奈子だった。
「二百は来てるわね」
「演奏、頑張ってね」
彼女はこう言うのだった。
「いいわね、それは」
「わかってるわ」
「それならいいわ。あたし達の演奏で使い魔達が踊って」
「それで結界が作られているから」
つまりお互いあってのことということである。
「それにこの音楽自体がね」
「ええ。あのミサイル達をね」
「倒すわよ」
そうだというのである。
「撃ち落としていってね」
「ええ。それじゃあ」
華奈子はここぞとばかりにサックスと吹きはじめた。
「あたしのこのサックスでね」
「私も」
そして美奈子もだった。そのフルートを構える。戦いは本格的になろうとしていた。
第二百二十九話 完
2009・10・18
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ