第二百二十八話
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第二百二十八話 エンペライザー来たる
六人が演奏による結界を固めるその前に。突如として巨大な白銀のロボットがその姿を現わしてきたのであった。そのロボットことまさに。
「エンペライザーね」
「そうね」
美樹の言葉に梨花が頷く。
「博士の作った強力なロボットの一つよ」
「それこそ一国を滅ぼすようなね」
「でかいわね」
赤音はその巨大ロボットを見上げてこう呟いた。
「あらためて直接間近で見るとね」
「そうよね」
春奈が彼女のその言葉に応える。
「高層ビルみたい」
「ただ、これと高層ビルの違いわね」
華奈子は真剣な面持ちでロボットを見上げている。
「攻撃してくるってことよ」
「その通りよ」
美奈子はまさにそのものずばり、といった口調であった。
「あのロボットが私達をね」
「ねえ美奈子」
華奈子はロボットを見上げたまま双子の姉妹に声をかけてきた。
「このまま演奏は続けるのよね」
「そうよ」
華奈子の言葉にこくりと頷いてみせる。二人は今一緒に並んでいる。そうしてそのうえでお互いに対して言うのである。視線はロボットにやったままである。
「このままね」
「わかったわ」
相方のその言葉に応える華奈子だった。
「それじゃあこのまま」
「ただし」
しかし、だというのだった。
「音楽は変えましょう」
「そうね」
彼女の今の言葉に頷いたのはリーダーの梨花だった。
「攻撃用にね」
「わかったわ」
「それじゃあ」
赤音と春奈もそれに応えて身構える。それぞれの楽器を。
「音楽はこれよね」
「この曲で」
「使い魔達はこのままよね」
美樹も自分の楽器を手に美奈子に問うた。
「このまま周りでダンスね」
「そうよ。それで結界を維持するのよ」
踊りによって、というのであった。それがこの結界を保たせているというのである。
「それでね」
「それじゃあさ、美奈子」
華奈子がまた彼女に声をかける。
「あたし達はこのまま」
「そうよ、ミュージックスタートよ」
ロボットを見上げながら演奏をはじめる六人だった。戦いが遂にはじまったのである。
第二百二十八話 完
2009・10・13
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