第二百二十二話
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第二百二十二話 バンド
「行くわよ!」
「ええ!」
「いいわ!」
皆華奈子の言葉に応えてスタンバイから動くそして。
「スタート!」
そうして一気にそれぞれの楽器を演奏しだした。何とバンド演奏をはじめたのである。
その曲はロックだった。それを奏でている。
華奈子はサックス、美奈子はそのフルートだ。そして梨花がギター、美樹がベース、春奈がキーボード、赤音がドラムなのは変わらない。
「やっぱり魔法使えてよかったわね」
「そうね」
皆そのロックを奏でながら話をする。
「こうして楽器を小さくして持って来ることもできたし」
「おかげでね」
「それだけじゃないわよ」
華奈子はサックスを吹く間に皆に言う。既に激しいステップも見せている。
「こうしてね。音楽の中に魔法を入れるのもね」
「そうよね。まさかこんなに合うなんて」
春奈がキーボードを演奏しながら言う。
「思わなかったわ」
「美奈子ちゃんそういうの得意みたいだけど」
赤音のドラム捌きも見事なものである。
「元々フルート上手だしね」
「私はかなり苦労したわよ」
梨花はギターを奏でながら激しいステップを見せている。
「最初ギターの演奏そのものが中々だったし」
「けれどあれね」
今度は美樹が言う。当然ベースを演奏している。
「こうして楽器を演奏するだけでもいいものね」
「そうでしょう?これを取り入れない手はないわよ」
美奈子はかつての紫の魔女のことは内緒にしていた。
「絶対にね」
「そうよね。魔法もかなり入れやすいし」
華奈子が一番ノリがいいのであった。
「こうやってね。結界を作れるなんてね」
「魔法と音楽は本来密接なものなのよ」
美奈子もまた笛を吹いている。
「それを入れない手はないわよ」
「そういうことね。それじゃあ」
「ええ」
「これで結界を作って」
華奈子はあらためて言うのだった。見れば六人共それぞれステップも踏んでいる。ドラムを叩いている赤音もその場で座りながらしている。使い魔達もそれぞれ躍り舞っている。
「それから攻めましょうね」
「まずは護りからよ」
美奈子も言う。
「あの博士相手にはね」
「あまりこういうのはあたしの好みじゃないけれど」
こうは言いはする華奈子だった。しかしここは大人しくしていた。
「いいわ、それでね」
そうして今も演奏とステップを続ける。やがて六人と使い魔達の周りに黄金色のオーラが生じてきたのだった。
第二百二十二話 完
2009・9・20
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