暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百三十六話 黒狐を煙に巻く
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
建設にいったいどれだけの時間がかかるかわからんでも無かろうに、その程度のことで慌てるのであるから、お前は補佐官止まりなのだよ。

「いったいどうしたのだ、皇帝でも死んだのか?」
「自治領主閣下、そうではありません、イゼルローン回廊に第二イゼルローン要塞なる物を帝国が建設を開始した模様です」

此処はボルテックの能力を見て見ることにするか。

「なるほど、最近の輸送の増加はそのカモフラージュでも有った訳か、それにしても搬入量が少ないのではないか」

「はい、それに因りますと、未だ基本フレームすら建設を開始していない状態だとの事です」
「なるほど、イゼルローン要塞が建設に十数年の時間と莫大な予算をかけて建設されたのだからな、直ぐに出来る訳が無いと言うことだな」
「はい、シャフト科学技術総監の言う事には、最低でも10年はかかるとの事です」

「しかし、第二イゼルローン要塞が完成すれば、イゼルローン回廊は難攻不落になるという訳か」
「第二イゼルローン建設の情報ですが、同盟に知らせますか?」

建設途中で攻め込ませるのも、一興だが完成後に同盟が攻めあぐみ、銀河を巡る暗雲がたなめき益々戦いが長引けば、我がフェザーン自治領が肥え太る訳だな。

「ボルテック、今は知らせぬ事だ、知らせるにしてもある程度完成して建設中の要塞が被害を受ければ、それだけ予算がかかり建材の値段が上がる、その建材を輸出すればフェザーンの利益になるのだからな」
「なるほど、了解致しました」


ボルテックの退出後に満天の星をペントハウスで見ながらルビンスキーは独白していた。
「同盟も帝国もそして地球教もこの俺の掌で踊るがいい、最後に生き残るのはこの俺か」



帝国暦484年 3月1日

■イゼルローン回廊 アルテナ星系 イゼルローン要塞

イゼルローン要塞の秘匿回線通信室では要塞司令官トーマ・フォン・シュトックハウゼン大将と駐留艦隊司令官ハンス・ディーリッヒ・フォン・ゼークト大将が、何故か連絡してきた科学技術総監シャフト技術大将と会話を行っていた。

『要塞司令官、駐留艦隊司令官、お久しぶりですな』
「科学技術総監もお変わりないようで」
『ははは、相変わらずですよ』

画面に映るシャフト科学技術総監はビアホールの主人を思わせる風貌で有りながら、何か探ろうという感じが目の端々から感じ取れていた。

「所でいったい何の御用ですかな」
シュトックハウゼンが冷静な表情で尋ねる。
『いや、其方で建設中の第二イゼルローン要塞に関してなのだが、進展率はどの程度かと思って』

「此は如何に、科学技術総監ならば、ご存じかと思いましたが」
ゼークトが大げさに驚いてみせると、シャフトは汗を拭きながらモゴモゴと言い始めた。
『今回の要塞
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ