第二百十八話
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第二百十八話 積極かつ慎重に
「それで美奈子ちゃん」
「どういうことなの?」
「積極的だけれど慎重にって」
「それって一体」
華奈子以外の春奈、赤音、美樹、梨花の四人もその意味がわかりかねているのであった。それで彼女達も怪訝な顔になってその美奈子に対して尋ねるのであった。
「何か矛盾してるような」
「ねえ」
「華奈子ちゃんと同じこと言うけれど」
「実現できることなの?」
「ええ、矛盾していないし実現できるわよ」
その美奈子は平然と微笑んで彼女達のその言葉に返すのであった。
「もう簡単にね」
「簡単にって」
「そうかしら」
「積極的に行くのはわかるわよね」
まずはこのことから話すのだった。
「積極的にね。前に出るのは」
「ええ。それなら」
「わかるけれど」
四人もこれはわかった。
「つまりもういつも以上に大掛かりに攻めるってことでね」
「そういうことよね」
「具体的にはそういうことよ」
やはりそれは同じであった。だがここでまた事情が付け加えられるのであった。
「それで慎重にっていうのはね」
「それよ」
「それが入るとちょっと」
話がわからなくなるというのである。四人もまた。しかしここで美奈子はその平然とした笑顔のままでその四人に対して語るのであった。
「つまり。事前に計画を立てるのよ」
「計画を立てて」
「そのうえで派手に攻めていく」
「そういうことなのかしら」
「その通りよ。それよ」
にこりと笑って話す美奈子であった。
「つまりはね。事前にじっくりと考えてそのうえでね」
「大掛かりに攻める」
「それなの」
「その通りよ。これでわかってくれたかしら」
「ええ、そう言ってくれたらね」
四人ではなく華奈子が彼女のその言葉に答えた。
「わかったわ」
「わかってくれて何よりだわ」
「そういうことだったの」
「動く前にじっくり考えて」
「皆で話し合ってじっくりとね」
また言う美奈子であった。
「それで行きましょう。いいわね」
「わかったわ」
「それじゃあ」
四人もこれで頷いたのであった。
「慎重かつ積極的にね」
「そう行くのね。今回は」
「その通りよ。それじゃあまずは」
ここで博士の研究所の周りの地図を開く。そのうえで紙も出して書いていく。
「研究所の地図もある程度まで作られるし」
「何か本当にじっくりって感じね」
「こういう作戦を立てるのもいいかもね」
「そうね」
皆このことも楽しみはじめていた。何はともあれこれで皆美奈子の言葉の意味がわかったのであった。
第二百十八話 完
2009・9・8
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