第二百十七話
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第二百十七話 それでどうするか
情報が手に入ったことは確認できた。しかしであった。それだけでは戦いが終わったことにも何にもなりはしない。このこともまた言うまでもないことであった。
それで華奈子は。再びいぶかしむ顔になって皆に問うのであった。
「それでどうするの?」
「どうするって?」
「だからどうするのよ」
言葉は繰り返しめいていたが確かに尋ねるものであった。
「動くの?それとも様子を見るの?」
「どちらにするか決めたいのね」
「そうよ、それよ」
彼女が決めたいのはまさにこのことだった。つまり作戦を決めたいのであった。
「まさか何もしないっていうんじゃないでしょうね」
「ああ、それはないわ」
「安心して」
このことはすぐにリーダーの梨花と軍師の春奈が否定した。
「今何もしなかったらそれだけでお話にならないから」
「折角新しい魔法使って情報手に入れたから」
「そうよね、やっぱりね」
それを聞いてまずは安心した華奈子であった。実際にその表情をほっとさせてもいる。
「じゃあどっちにするのよ」
「ここは積極的にいくべきでしょ」
「いいえ、慎重にいくべきよ」
赤音と清音がそれぞれ言った。
「もうね。先手必勝で一気にね」
「あの博士よ。ここはじっくりと考えてね」
「あたしはどっちかっていうと積極的にいったらいいって思うけれど」
活動的な華奈子としては赤音の案を指示したかった。実際にそちらに気持ちが動いている。
「どうかしら。ここは」
「積極的かつ慎重にいくべきね」
だがここで美奈子はこう言うのである。
「今回はそう行くべきよ」
「ちょっと美奈子」
華奈子は今の美奈子の相矛盾するような言葉に思わず突っ込んでしまった。
「それって駄目じゃない」
「駄目って?」
「積極的かつ慎重にって」
実際に美奈子が出した言葉をそのまま述べもしてみせる。
「完全に矛盾してるじゃない。同時になんて無理よ」
「無理じゃないわよ」
しかし美奈子は華奈子に対してにこやかに笑って答えるのであった。
「全然ね」
「無理じゃないの?」
「そうよ、無理じゃないわ」
そしてまた言うのであった。
「それどころか完全に両立するものよ」
「そうかしら」
「私達みたいなものよ」
そして今度はこんなことも言うのであった。
「つまりはね」
「余計にわからないけれど」
さらに首を傾げることになった華奈子だった。だが皆は美奈子のその言葉を聞くことになった。
第二百十七話 完
2009・9・8
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