第二百十六話
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第二百十六話 わかったことは
「いい?周りはわかったのよ」
「うん」
華奈子は美奈子の話をそのまま聞いていた。彼女がくれたサイダーを飲みながら。
「これだけでもかなり大きいわよ」
「かなりなのね」
「お城の中はあまりわからなかったけれど内堀まではわかった」
美奈子は言うのだった。
「これって凄いことよ」
「内堀までね」
「大体何処に何があるかわかったでしょ」
また言う美奈子だった。
「そうでしょ?それはね」
「確かに。じゃあ研究所の外がわかったっていうことは」
「その辺りは動くことができるようになったのよ」
「そういうことよ」
今度は梨花と美樹が華奈子に告げてきた。
「魔法だって使えるしね」
「それも大きいわよ」
「言われてみれば確かにね」
華奈子は腕を組んで考える顔になっていた。そのうえでの言葉だった。
「それは大きいわね」
「それにね、華奈子ちゃん」
「場所によってはだけれど」
赤音と春奈も話すのだった。
「思いきり魔法が使える場所もあるし」
「これはかなりいいわよ」
「そうなの」
まだそういった詳しい場所をチェックしていない華奈子はよく実感できていないような言葉を出して二人の言葉を聞くのだった。
「だったら結構以上に」
「ええ、いけるわ」
今度は美奈子が告げたのだった。
「これはね。かなり使えるわ」
「そう。だったら」
華奈子は美奈子の言葉も受けてまた言うのだった。
「今回の偵察は無駄じゃなかったのね」
「そういうことよ」
こう華奈子に言って微笑んでみせる美奈子だった。
「敵地の地理を知ることは重要じゃない」
「ええ」
それはわかっている華奈子だった。彼女は学校の勉強は嫌いなだけで実は頭はそれ程悪くはないのである。むしろ結構いい方であるのだ。
「それはその通りだけれど」
「じゃあわかるわね」
美奈子の言葉は微笑んでいた。
「そのことはね」
「わかったわ」
そして華奈子も微笑みになっていた。
「それじゃあ博士の研究所の方に攻めていくのも」
「これでできるようになったのよ」
「よし、それじゃあ」
また笑顔で言う華奈子だった。
「これで話はいいわね」
「ええ」
笑顔で頷く二人であった。まず情報を手に入れたことは確かに大きかった。
第二百十六話 完
2009・8・30
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