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対決!!天本博士対クラウン
第二百九話
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                第二百九話  博士とワイン
 生体実験を終えた博士はまずは。昼食を摂っていた。
「さて、今日のお昼は何だったかのう」
「今日は中華料理ですよ」
 小田切君が博士にこう答える。
「中華もいけましたよね、確か」
「基本的に料理は何でもいけるぞ」
 こう小田切君に答える博士であった。
「和食でも何でものう」
「けれど一番好きなのはやっぱり」
「うむ、スペイン料理じゃ」
 これは引けないのであった。所謂博士のこだわりである。
「やはりあれが一番じゃ」
「そうですか。それでお酒は」
「ワインはあるかのう」
 ワインを頼むのであった。
「中国のワインがあれば尚よいが」
「ええ、ありますよ」
 すぐにこう返事を返した小田切君であった。
「それもちゃんとあります」
「尚よい」
 中国のワインと聞いてさらに笑顔になる博士であった。もっともその笑顔も何故か生体実験や破壊兵器の開発をする時のように邪悪な笑みであるのだが。
「中華料理には中国のワインじゃ」
「中国のですね」
「アメリカだとアメリカのワイン」
 それだというのである。
「そして和食にはじゃ」
「日本のワインですね」
「和食じゃと基本は白じゃな」
 どうやら博士はワインにはかなりのこだわりがあるらしい。それが窺える今の言葉である。
「魚とかが多いからのう」
「そうですよね。やっぱりお魚とかには白ですよね」
 小田切君もこれには納得して頷くのだった。
「僕もそう思いますね、それは」
「しかしドイツのモーゼルはのう」
 話はあの有名なモーゼルワインにも及ぶ。
「あそこは肉料理が多いというのに白は」
「チーズで飲めっていうことでしょうね」
 ぼやく博士に対してこう答える小田切君だった。
「あとクラッカーみたいなのとかで」
「それもいいがのう。やはりドイツといえばじゃ」
「ソーセージですか」
 もう博士の言いたいことはわかったのだ。ドイツといえばやはりソーセージである。これは日本で刺身と同じで切っても離れないものである。若しかしたら日本人にとっての刺身以上なのかも知れない、ドイツ人にとってソーセージはそれ程までの存在なのだ。
「それですか」
「それじゃ。ソーセージには赤じゃ」
 これもまた博士のこだわりであった。
「じゃからのう。モーゼルはのう」
「まあ中国の赤ワインでも飲まれて」
「うむ。それで夜はアメリカのティーボーンステーキじゃったな」
「ちゃんとアメリカのワインも用意してますよ、赤で」48
「それならばいいのじゃ」
 何気にワインにはそれなりのこだわりを見せる博士であった。そうしてこの日は昼も夜も中国とアメリカのワインをそれぞれ楽しむのであった。


第二百九話   完


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