第二百二話
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第二百二話 影
「それでね」
「ええ」
「影よね」
皆春奈の言葉に注目する。注目しているのは五人だけなくそれぞれの使い魔達も同じである。じっと彼女の言葉に注目しているのである。
「影をどうするの?」
「何かするのよね、やっぱり」
「そうよ」
やはり春奈の返事はここでもしっかりとしたものだった。
「その影でね」
「それでその影は誰の影なの?」
華奈子は最初にそのことを尋ねるのだった。
「自分の?それとも他の人の?」
「自分達のよ」
春奈はそれは自分だけではないというのだ。やはりその言葉は深いものがあった。
「私達も。それで使い魔達のもね」
「そうなんだ」
「僕達のも」
イーとリャンが主の言葉を聞いてまた言う。
「それでその影を使って」
「偵察するんですね、御主人様」
「そういうことなのよ。つまりは」
春奈の話が続く。
「自分や使い魔の影を分離させてそのうえでね」
「偵察に向かわせる」
「そうするの」
「それだとどうかしら」
ここまで話してあらためて皆に尋ねる春奈だった。
「影なら物理的な攻撃はされないしすぐに隠れられるし。レーダーとかにも見つからないしかなりいいじゃないかって思うんだけれど」
「そうね」
まずは華奈子が彼女の言葉に応えるのだった。
「あたしはいいと思うわ」
「華奈子ちゃんは賛成ね」
「ええ。影からその偵察しているところが見えるのよね」
このことも尋ねるのだった。
「だったらね。最高じゃない」
「有り難う。それで皆は?」
「そうね。私もね」
「いいじゃない」
「賛成するわ」
梨花に赤音、美樹も笑顔で言ってきたのだった。そしてそれぞれの使い魔達もだ。
「いいよね」
「そうだよね。僕達も安全だし」
「賛成します」
そして最後の一人だった。春奈は彼女に対して直接尋ねるのだった。
「美奈子ちゃんはそうでどうなの?」
「私はね」
「ええ。どうなのかしら」
「賛成よ。影を使うのも面白いわよね」
にこりと笑っての言葉であった。
「それじゃあ。これで全員賛成ね」
「ええ、そうね」
彼女も賛成してくれて心から笑顔になる春奈だった。こうして影を使って偵察をすることになったのであった。
第二百二話 完
2009・6・15
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