第二百一話
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第二百一話 まずは偵察から
再び博士と戦うことを決意した六人。しかしすぐには動かないのだった。
「まずは情報を集めましょう」
「情報をなのね」
「ええ。まずはそれからにしたらいいと思うわ」
六人の中で最も頭がいい春奈が穏やかな調子で皆に話すのだった。
「博士ってすぐに研究所の周りに変な生き物とか兵器とか置くじゃない」
「そうなのよね、悪質なことにね」
「そうしたことも大好きな人だから」
とにかく何をするにも悪質な博士なのである。
「じゃあまずは周りを偵察するってことね」
「それね」
「では御主人」
「僕達が」
早速春奈の足元にいるイーとリャンが名乗り出てきた。その蛙と亀の使い魔の彼等である。当然ながら皆使い魔も集めてきているのだ。
「行きますから」
「そういうことで」
「いえ、いけないわ」
しかし春奈は彼等のそんな申し出を拒むのだった。
「今回はそれは駄目よ」
「えっ、何でですか?」
「偵察とかってまさに僕達の仕事なのに」
「それでもよ。今回は駄目よ」
やはりそれはさせない春奈だった。
「どうしてもね。絶対に駄目よ」
「何でなの?それって」
華奈子も何時になく強情な調子の春奈に対して首を捻りながら尋ねた。
「そんなに行かせないのは。どうしてなのよ」
「危険だからよ」
だからだという春奈だった。
「最近でも不良校を全部蛇の巣にしたりまた巨大ロボットで暴走族壊滅させたでしょ」
「それ本当にいつものことだけれどね」32
華奈子は春奈の話を聞いてからこの言葉を出すのだった。
「厄介なことにね」
「それでね。考えたのだけれど」
そのうえでさらに言う春奈だった。
「あのね、偵察にはね」
「ええ」
「それでどうするの?」
皆その春奈に尋ねるのだった。
「使い魔使うのは確かに危険だけれど」
「それでも偵察はしないとどうにもならないのよね」
「影を使いましょう」
春奈がここで言う言葉はこれであった。
「影をね。それでいきましょう」
「影!?」
「っていうとどうするの?」
「それはね。今から話させて」
春奈はこう皆に切り出した。そうしてそのうえで今の自分の考えを話すのだった。それは他の五人にとってもかなり驚くべきことであった。
第二百一話 完
2009・6・15
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