第二百話
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第二百話 先生達は
今田先生はこの時何をしていたかというと。実に呑気なものだった。この先生の場合はそれが常なのでこれもまた問題なのだが。
小百合先生と二人でお茶をしていた。また二人で遊んでいたのだ。
「ねえ香ちゃん」
「何?小百合ちゃん」
その明るい調子でケーキも食べていた。
「これからどうするの?」
「どうするのって決まってるじゃない」
その明るい呑気な調子で答える今田先生だった。
「それはね」
「決まってるのね」
「そうよ。このまま飲みましょう」
こう小百合先生に答えるのだった。
「お茶をね」
「そうね」
そしてにこやかに返す小百合先生だった。
「今日もね。仲良くね」
「ところで小百合ちゃん」
今田先生はのどかなまま言葉を返してきた。
「このお茶は何処のお茶なの?」
「セイロンのお茶よ」
つまりセイロンティーということだった。
「それだけれど」
「あっ、セイロンティーなのね」
「どうかしら。ローズティーもあるけれど」
それもあるというのだった。
「そうよ。このセイロンティーを楽しみましょう」
「今はね」
「これが終わったらローズティーよ」
それも飲むというのだった。
「お茶菓子は」
「今はチョコレートパイだけれど」
喫茶店でのどかに話していくのだった。
「ローズティーの時は何にしようかしら」
「いいのがあるわ」
今田先生はまたにこりと笑って答えてきた。
「パイの次はケーキにしましょう」
「ケーキね」
「ええ。ローズケーキ」
そういったものもあるのだった。当然薔薇を入れたケーキである。
「それをね。皆でね」
「そうね。じゃあ」
「薔薇には薔薇よ」
今田先生のにこりとした笑みでの言葉は続く。
「それでいいわね」
「そうね。薔薇尽くしでね」
「楽しめばいいわ」
「香ちゃんの生徒さん達にも御馳走しましょう、今度はね」
「そうね。美味しいものは皆で食べて飲まないとね」
「その通りね」
こんな調子だった。とにかく呑気な彼等であった。
第二百話 完
2009・6・7
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