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対決!!天本博士対クラウン
第百九十七話

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              第百九十七話  プールから帰ると
 プールから帰って華奈子達。暫くはクラウンの活動に専念できた。
「っていうかさ」
「どうしたの?」
「バンドやるのも久し振りよね」
 華奈子は学校の体育館で練習しながら美奈子に語るのだった。
「何か最近色々あったから」
「本当にね」
 そして美奈子も双子の相方のその言葉に対して頷く。
「それはその通りね」
「そうよね。もう博士が訳のわからないことばかりするから」
 何故活動が滞っていたか。原因は他ならぬそこにあった。
「そのせいでね」
「本当にね、全く」
 美奈子は華奈子の言葉にまた頷いた。
「気付けば何するかわからないから」
「それにしても。ありとあらゆる騒動を引き起こす人よね」
 華奈子はつくづく思うのだった。
「悪事どころじゃないしね」
「そうね。警察がどうしようもない位だから」
 だから彼女達の出番となっているのだ。普通の人間ではとても相手にならないからだ。それで魔女の力を助っ人にしているというわけである。
「それでも最近大人しいわよね」
「大人しくていいわよ」
 華奈子はうんざりとした顔で述べた。
「あんな変態博士。一生ね」
「そうね。このまま静かにしておいてくれたらいいけれど」
「絶対そんな筈がないけれどね」
 そんな博士ではないことは皆わかっていた。
「あの博士に限ってね」
「そうよね。問題は今度はどんな騒ぎを引き起こすかだけれど」
「また何か改造人間出してくるのかしら」
 華奈子はまずはこのことを想定したのだった。
「やっぱり」
「どうかしら。毒ガスじゃないかしら」
 美奈子が想定したのはこれだった。
「そうした大量破壊兵器出すとか」
「有り得るわね、それも」
「そうでしょ?本当に何してくるかわからないわよ」
「なのよねえ。本当に何するのかしら」
 華奈子はあらためて考える顔になってしまった。
「今度は」
「何なんだろうね、洒落にならないことだってのはわかるけれど」
「ええ。覚悟は決めておきましょう」
「そうね、何が起こってもいいようにね」
「そういうことよ」
 こう話していく。そのうえでそれぞれ楽器を使ってみる。華奈子はサックス、美奈子はフルートを。それぞれヴォーカルと共に担当している楽器である。
「あれっ、結構長い間やってなかったのに」
「いけてる?」
「そうね。いい感じじゃない」 
 音楽に戻ると感じはよかった。しかしそれはあくまで束の間のことであった。


第百九十七話   完


                  2009・5・31
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