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対決!!天本博士対クラウン
第百九十六話
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第百九十六話  今回の実験の目的
 その尊い命を自分達の意志とは全く無関係に博士に捧げた暴走族や不良達。その屍はミキサーで粉々に砕かれ焼却処分にされてしまった。
 小田切君が帰った時にはその実験はもう終わっていた。彼等はその存在を瞬く間に影も形もなく消されてしまっていた。やはり彼等の意志とは全く無関係にだ。
「で、今回は何の実験だったんですか?」
「ちょっと血の入れ替えの実験をじゃ」
 博士は静かにこう述べた。
「やってみたのじゃよ。まずは実験材料の首を切断してじゃ」
「いきなりそれですか」
「それから止血をして血を入れ替えたのじゃよ。醤油にな」
「はい!?」
 醤油と聞いて思わず声をあげた小田切君だった。
「醤油といいますと?」
「だからじゃ。ちょっと人間の血と醤油を入れ替えてみてじゃ」
「そんなことをしたんですか」
「あっという間に死んでしまったわ」
 実にあっさりと言うのだった。
「首をつなげて蘇生させてやったのにすぐにだったぞ」
「そりゃ死にますよ」
 とんでもない実験で人命を使うのはいつものことだった。
「醤油なんて」
「あとソースとかチリソースとかにも入れたのじゃがな」
「やっぱり死にましたよね」
「入れ替えの時点で苦しみ抜いて死んだぞ」
 人が死のうがそれで何かを思う博士ではない。
「断末魔の顔はよかったのじゃがな」
「そんなことやってたんですか」
「まあ些細なことじゃ」
 博士にとってはである。あくまで。
「暇潰しにはなったのう」
「そうですか。暇潰しですか」
「偉大なるわしの実験に貢献した」
 完全に自分の主眼のみで語っている。博士にないものは人権思想の他にも色々とあるが他人の苦しみや人生について考えるということもまたその一つなのである。なお他には常識や良識や中庸やそうした思想もまた何一つとして存在していない。それも全く。
「感謝してもらいたいものじゃよ」
「それで何か得たんですか?」
「うむ。やはり苦しみ抜いて死ぬ」
 博士がわかったのはこれであった。再確認である。
「今度は暴力団の連中を捕まえてやってみることにする」
「暴力団員をですか」
「気に入らんからのう」
 博士が実験の犠牲者を選ぶ最大の根拠である。
「ちょっとな。百人ばかり捕まえてそれで断末魔の叫びも録音してやる」
「左様ですか」
「うむ。断末魔の叫びを聞くのもよい」
 博士にとっては最高のBGMである。
「それもよいことじゃ」
「それはいいですけれど」
 とりあえず博士のそうした狂気の趣味は置いておいて問う小田切君だった。
「何か最近遊びで色々な人そうやって犠牲にしていません?」
「ついでに街の掃除もしておるのじゃ。
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