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対決!!天本博士対クラウン
第百七十八話
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第百七十八話  レーダーとソナー
 美奈子は笛を吹きはじめた。確信した顔で。
 横笛から出される音はなかった。しかしそれでも何かを必死に吹いているのだった。
「それがあんたの今の魔法なの?」
「そうよ」
 いつもの落ち着いた調子で華奈子に答える。浮き輪に身体を預けながらそのうえで吹き続けている。
 暫く吹き続けていたがやがて。美奈子は急にその笛を止めたのだった。
 そしてそのうえでこう言った。
「わかったわ」
「誰がいるのかわかったの?」
「ええ、そうよ」
 こう華奈子に答えるのだった。
「ちゃんとね。居場所がわかったわ」
「それは何処なの?」
「プールをこのまま進めばいいわ」
 確かな顔で華奈子に話す。
「そうすればね。そこにいるから」
「ただ正面に進めばいいの」
「そうよ。それだけ」
 また華奈子に対して語る。
「今回はそれだけでいいわ。プールで泳ぎ続けてるわ」
「何だ。正面を進めばいいの」
 華奈子は美奈子の言葉を聞いて話がわかった。
「それじゃあ」
「ええ。ただ」
 しかしここで。美奈子の声が急に弱いものになってしまった。華奈子もそれに気付いて彼女に対して問うのだった。
「どうしたのよ。急に弱気になって」
「一キロも先よ」
 こう華奈子に対して言った。
「一キロ泳がないとそのメンバーのところには辿り着けないのよね」
「何だ、たった一キロなの」
 しかし華奈子にとってはそれ位は何でもないといった様子だった。それは顔にも出ていた。
「流れもあるし軽いじゃない。一キロだと」
「そういうところは負けるわ」
 あらためて華奈子のそうした体力には脱帽するのだった。
「一キロ泳いでも平気なんて」
「とにかく。そっちにいるのなら行きましょう」
「わかったわ。じゃあ」
 華奈子は勇んでいたが美奈子は渋々だった。しかしそれでも一キロ泳いでそのうえで見つけた仲間は。赤音であった。
「ああ、華奈子に美奈子じゃない」
 見れば彼女はボートの上にいた。そこでジュースを飲んでくつろいでいたのだった。
「どうしたのよ、また」
「ちょっと探してるのよ」
「皆をね」
「?何でまた?」
 赤音にはわからない話だった。とりあえず彼女は気楽にくつろいでいただけであった。別に誰かを探すということは考えもしていなかったのである。
「ちょっとね。魔法の修行の意味でもね」
「皆を探そうって思ってね」
「だったらまずは私ってことね」
 これで話がわった赤音だった。そうなれば彼女の取るべき行動も決まっていた。
「じゃあ今度は私も入ってってことね」
「ええ、そういうことよ」
「行きましょう、三人でね」
「了解。じゃあ乗って」
 す
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