第百七十五話
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第百七十五話 ジャングルプール
二人はそのジャングルプールに入った。するとそこは。
「うわ・・・・・・」
「これって」
まずはその中を見て絶句したのだった。
「広いね」
「広いってどころじゃないわよ」
美奈子が華奈子に返す。
「こんなに広いなんて」
「予想してなかったの?」
「全然」
また華奈子の言葉に応える。
「確かにあれよ。遊園地一個分の大きさって聞いていたけれど」
「ええ」
「けれど。実際に見たら」
「実感してみるとっていうことね」
「そういうこと。凄いわね」
こう言うしかなかった。
「これは」
「それで美奈子」
華奈子はここで美奈子に言うのだった。
「この中にね。皆がね」
「いるのね」
「そうよ。四人共何処かにいるわよ」
「問題は何処にいるかだけれど」
「地図、持ってるわよね」
「ええ。これよ」
華奈子に応えて早速その地図を出してきた。
「現在地はね」
「ここなのね」
「それでここがこうなって」
「で、ここが出口ね」
「そうよ。そこが出口よ」
二人はその地図を見て言い合う。
「これはあれね」
華奈子はその地図を見終わってから述べた。
「やっぱり一人ずつ歩いたら迷子になるわね」
「じゃあやっぱり二人で行くのね」
「さもないと大変なことになるわよ」
これは二人もよくわかっていた。
「だからね」
「了解」
美奈子は華奈子のその言葉に頷いた。
「あたしもそうじゃないと心配よ」
「珍しいわね。華奈子がそんなに慎重なんて」
「迷路だから」
だからだというのだ。
「この前のあの迷路でも苦労したしね」
「この前とは目的は違うけれどね」
「迷路は迷路よ」
二人はこのジャングルを迷路と見ているのだった。そのうえで今その迷路に向かうのだった。二人力を合わせて。
第百七十五話 完
2009・2・25
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