第百七十三話
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第百七十三話 ココアを二人で
一休みを取りプールの中の喫茶店でココアを飲む二人。華奈子はココアを飲みながら自分の席の向かい側に座る美奈子に声をかけてきた。
「ここのお店のココアって」
「美味しいでしょ」
「かなり甘いのね」
まずはそれを味わう華奈子だった。
「ここのって」
「そうでしょ?だから私好きなのよ」
美奈子はにこりと笑って華奈子に答えた。
「というか気に入ったわ」
「そうね。やっぱりココアは甘くないとね」
華奈子もそれは同じ好みだった。
「飲んだ気がしないわよね」
「ええ。そういえば華奈子がいつも飲んでるココアって」
「何?」
「森永のココアよね」
こう華奈子に問うのだった。
「いつも。そうよね」
「美奈子だってそうじゃないの?」
華奈子もまた美奈子に対して問い返した。
「森永じゃない。お家じゃいつも」
「そうね」
美奈子もまたそれに頷く。
「森永ね。お家じゃ」
「でしょ?何かあれかなり飲みやすいわよね」
「ええ。けれどこういうお店のココアもね」
「そうね」
また笑顔になる華奈子だった。
「いい感じね。飲んでて身体があったまるし」
「プールってやっぱり冷えるから」
「あっ、見て」
華奈子はふとお店の張り紙を見て声をあげた。
「ここのお店のココア」
「どうしたの?」
「おかわりできるわよ」
それを見逃さない華奈子だった。
「当然ただで」
「無料なのね」
「どうする?」
華奈子は美奈子の顔を見つつ問うた。
「おかわりする?どうするの?」
「聞くまでもないでしょ」
美奈子はにこりと笑って華奈子のその問いに答えた。
「おかわりできるのならやっぱり」
「そうね。それじゃあ」
「もう一杯」
美奈子はその満面の笑顔で言い切った。
「飲みましょう、二人でね」
「ええ」
こうして二人でその甘いココアを楽しむ二人だった。今はとりあえず一休みであった。
第百七十三話 完
2009・2・24
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