第十七話
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第十七話 戦場へ
猛訓練を終えた六人は早速博士の研究所に向かう。ここで彼等の前に白いタキシードにマントを羽織って立っていた。如何にもといった怪しい人物であった。
「あれ、よね」
華奈子がその怪しいことこの上ない人物を見て言う。
「天本破天荒博士って」
「間違いないわね」
それに美奈子が答える。
「話に聞いてる姿通りね」
「そうね」
華奈子はあらためて美奈子の言葉に頷く。
「本当にあんな格好しているなんて」
「私もまさかと思ったわよ」
美奈子もかなり呆れていた。見れば他の四人もである。
「あのね」
そこで白衣の普通の男の人が六人の前にやって来た。
「貴方は?」
「ああ、博士の助手の小田切っていうんだ」
そう梨花に答える。
「一応忠告にね」
「博士の前から現われるなってことですか?」
それに美樹が問う。
「そう。だから」
「と言われましても」
春奈が困った顔を見せる。
「ねえ。私達だって仕事だし」
赤音も述べる。
「そういうことなんで。宜しくお願いします」
華奈子が言葉を返す。
「いいんだね、本当に」
「そういうことです。あそこの人に聞いて下さい」
美奈子も言う。小田切君はそんな彼等のやり取りを聞いてはああ、と溜息をつく。
「やれやれ。どうなっても知らないよ」
「さて、小田切君」
後ろから博士の声がする。
「わしの輝かしい伝説がまた一ページだぞ」
「ああいう人だから。宜しくね」
そう六人に言うとその場から姿を消す。後にはその博士がいるだけであった。
「さあ行くぞ、諸君」
「早速やるつもりね」
華奈子は博士が高らかに宣言するのを聞いている。聞きながら呆れた声を出す。
「人の話聞きそうにないわね」
「見ればわかるじゃない」
美奈子も呆れ顔であった。
「人の話を聞く人があんな格好してる?」
「そうね。それじゃあ」
「ではまずは挨拶じゃ。わしの名は天本破天荒!」
自ら名乗った。
「天の本にして破滅により天を荒らす者だ!では来るのじゃ!」
今度は何処からか出した鞭を振り回して叫ぶ。
「我が僕よ!」
天から何かがやって来た。こうして六人と博士の最初の戦いが幕を開けたのであった。
第十七話 完
2007・3・13
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