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真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双
人の子は上位に手を出すべからず
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あ、死んだかな?
目の前の狼。なんで気がつかなかったんだろ。日本にこんな大きな生き物がいるのはおかしいってことに。
ずっと前に先輩に言われたことがあったなぁ・・・・・、しっかりと考えてから行動しろって。
あの時はさらっと流しちゃったけど、今となっては忠告をしっかりと聞いておくべきだったなぁって思える。不思議な気分だね。これから目の前の生き物に殺されるっていうのに落ち着いていられる。殺されるともなればもっとパニックになってもおかしくないだろうに。
あはは、感覚が麻痺しちゃったのかな?
恐怖で感覚が麻痺してしまいました。笑えないね、こんなの。もうちょっとだけでも、長く生きたかったな。
さようなら・・・・、先輩、お母さん、お父さん。
そして、仲良くなってくれたみんな・・・・・。
彼女は全てを受け入れたかのように目を閉じ、体に訪れるであろう衝撃を待った。




あれ?
おかしいな?
あまりにも強すぎて何かを感じる前に死んじゃってもう三途の川とか?
じゃあ、サボり魔で赤髪の死神さんに会えたりするのかな?
ちょっとだけ、周囲を見てみよ。

彼女が目を開けた世界は、先ほどまでとは何も変わらず、銀色の狼が前足を振り上げたままとなっていた。
いいや、振り上げているのではなかった。
一本の矢によって前足が近くの木に縫い付けられているのであった。
「へ?」
「グルルルル」
狼は矢を放った人物がいる方向に目を向ける。
それに釣られるかのように彼女もそちらに向けると、先ほど別の方向へと帰っていった筈の人物が立っていた。
「先輩っ!?」




胸騒ぎがあたってもいい気分はしないな。
とりあえず、間に合ったようだからあいつを逃すか。
あの縫い付けた矢もそう長くは持たないようだし、厄介なもんだな。あれは本当に生き物なのか?
気配とか言うと厨二くさいとかいわれるが、まさにそれだ。ほかの普通の動物から感じられるものとあれから感じられるものは違う。
嫌な感じしかしない。
「ここから逃げろ、殺されるぞ」
「せ、先輩だって」
「慣れてる人間と、慣れてない人間は違う。さっさと逃げろ」
「これを一人で背負い込む気ですかっ!?」
一人でせおいこむ。まさにそれだが、巻き込むわけにはいかないしな。
「手伝えますよ」
・・・・・、この生き物が何なのかはわからないが戦いに巻き込むべきじゃないのは分かる。
だから仕方がないか・・・。
「邪魔だ、足でまといになるから消えろ」
泣こうが喚こうが、事実でもあるんだけどな。
嫌われようが関係ない。
とりあえずこいつを殺す。
被害が拡大する前に殺す。目先すべきことはそれだ。


パキンッ

矢がついに折られ、銀色の狼が青年に向かって駆け出す。
その速度は
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