第百五十九話
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第百五十九話 アポカリュプシス
博士はタロとライゾウに対してその日本軍の話を続けていた。二匹が聞いてもその戦闘力というか非常識な有様は人間のものではなかった。
「アポカリュプシスを行おうとしていた」
「それもよくわからないんだけれど」
ライゾウは博士に対して問うた。
「何でそんな滅茶苦茶なことをしようとしたんだよ」
「アポカリュプシスってあれだよね」
タロも言う。
「確か世界どころか全ての並行世界を無に返すっていう」
「左様」
博士は二匹の問いに腕を組み平然と答える。
「この知能指数二十万のわしでなければできぬことじゃ」
「その知能指数も出鱈目だけれど」
「アポカリュプシスはもっと出鱈目じゃない」
「面白いからのう」
いつもの理由であった。
「だからやってみようと思ったのじゃ」
「世界を無に返すことが面白いって」
「何か違うような」
「面白くないことはせん」
博士は二匹の話をほぼ聞いてはいなかった。話を聞くような人間でもない。
「だからやってみただけじゃ」
「それだけかよ」
「それだけなんだ」
「それだけじゃ」
また二匹の問いに答えた。
「まあ銀河の中央に行ってな」
「銀河の中央で?」
「そのアポカリュプシスを」
「うむ。今それを行おうと宇宙怪獣を百億程度周りに置いておると」
そもそもその宇宙怪獣だの百億だのが非常識な話ではある。だがこの博士にとって非常識というものは当たり前なので今更なことではある。
「日本軍が来た。わしの前にな」
「日本軍って宇宙まで出られたんだ」
「しかも銀河の中心まで行けるなんて」
二匹にとっては今更だがそれでも驚くべきことではあった。
「何だかもう」
「どんどん話が滅茶苦茶に」
「わしの生涯でも屈指の戦いがはじまった」
博士の滅茶苦茶な話はまだ続く。
「銀河の存亡をかけてな」
「日本軍を応援したいよな」
「全くだよ」
二匹はこう心から思わずにいられなかった。
「今おいら達がここにいる理由って」
「日本軍のおかげだったんだ」
「では話そうぞ」
博士の非常識な話はいよいよクライマックスに向かっていた。
「わしのその生涯の中でも屈指の戦いをな」
「日本軍があらゆる世界を救った話だよな」
「そうだよね」
最早完全に悪役になっている博士であった。そして今博士と日本軍の最終決戦が語られるのであった。
第百五十九話 完
2008・12・27
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