第百五十八話
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第百五十八話 戦前では
「日本軍は強かった」
博士は二匹に対して語り続けていた。
「日本刀で百人斬るしのう」
「それって普通に人間じゃないよな」
「刀ってそんなに斬れないし」
二匹はその常識を踏まえて博士の話に突っ込みを入れる。
「そもそも何でそんなに斬れる刀があったんだ?」
「わしが開発した」
こうライゾウに答える博士だった。腕を組み誇らしげに。
「それで日本軍に渡したのじゃよ」
「何でまたそんなことを」
「知れたこと。面白いからじゃ」
面白ければそれだけで何でもやるのが博士である。
「そうしたら戦場で大活躍じゃった」
「それでも戦場で一度に百人斬りなんて」
「やっぱり人間じゃないよな」
「そこじゃ」
博士はその百人斬りの部分を指摘してきた。
「そこなのじゃよ」
「そのだって!?」
「じゃあ本当に日本軍は百人斬りできたの」
「柔道で百万人殺しておるのじゃぞ」
またしても途方もない数字が出て来た。
「朝鮮半島でな」
「日本軍って全員サイボーグなのかよ」
「もうそこまでいったら何が何だか」
「だからこそわしの好敵手だったのじゃよ」
また昔を懐かしむ声になっている博士だった。
「その異常なまでの戦闘力がのう」
「殆どサイ○人だな」
「全くだよ」
ライゾウにしろタロにしろ博士が戦ったというそのあまりにも強い日本軍の話を聞いて咄嗟射にその戦闘民族のことを思い出したのであった。
「空手で二四〇万人、合気道で一〇〇万人」
途方もない数字が続く。
「そしてその剣道では四〇〇万人じゃ。日本軍が半島で殺したのはな」
「じゃあさ、聞くけれど」
「あの戦争全体で日本軍はどれだけの人を殺したわけ?」
「五億はいっておるのう」
「五億って・・・・・・」
「どれだけ」
「このわしと全力で戦いながらじゃ」
なおこの博士は当然昔から地球規模の危険人物とされてきている。
「それでそれだけ倒したのじゃよ」
「本当に化け物だったのかよ、日本軍」
「凄いっていうか何ていうか」
「銀河の遥か彼方でわしがアポカリュプシスを行おうとしておったら来たのじゃ」
「アポカリュプシスって」
「何でそんなことを」
「まあ暇じゃったからのう」
それだけのことをした根拠もこれであった。
「じゃからな」
こんな調子で博士の昔話が続く。どんどんとんでもないことになってきていた。
第百五十八話 完
2008・12・16
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