第百三十六話
[8]前話 [2]次話
第百三十六話 風の魔法使い
美樹は風を扱っていた。それは。
「えっ!?」
まず自分で使って驚きの声をあげる。
「今の威力ってまさか」
「これまたかなり凄いじゃない」
華奈子も今の美樹の魔法を見て驚いていた。
「鎌ィ足が一杯出て無茶苦茶に暴れ回るなんてね」
「こんなのはじめてよ」
使った美樹はまだ驚いている。
「風の魔法にしろね」
「今までは竜巻が限界だったっけ」
「ええ。その竜巻だって」
実際に竜巻も放ってみる。
「ほら、今までは一つだったのに」
「今じゃ四つも五つもよね」
「凄いことになってるね、美樹ちゃんも」
「そうみたい。じゃあ私も」
「その通りよ。美樹ちゃんもね」
美奈子は美樹に対しても言うのだった。
「魔力があがってるのよ」
「やっぱり使っていればなのね」
「そうよ。それにしても」
美奈子もまた美樹が今さっき放った無数の鎌ィ足の魔法のことを話す。
「今の魔法がとりわけ凄いわね」
「っていうか見てよ」
華奈子が美奈子に対してここで声をかけた。
「あたしだってこうだし」
青い炎と赤い炎を同時にそれぞれ複数出すことができるようにもなっておりその動きもコントロールさえしている。さっきよりも進歩している。
「春奈ちゃんと赤音ちゃんだってね」
「そうね。何か」
春奈のシャボンは虹色になってやはり数が比較的増えている。もう風の動きとは関係なくめいめいのシャボンが生き物の様に動いてさえいる。
赤音のそれもまた。動きも量もさらに凄いものになっている。さっきよりもさらにだ。
「また凄くなってるなんて」
「私達ってね」
美樹がここで美奈子に話す。
「一つの魔法に専念してるじゃない」
「ええ」
「それがかえっていいのかしら」
「そうね」
美奈子は少し考えてから美樹に答える。
「多分それね」
「一芸ってやつね」
「そういうことね。そういえば私もなのね」
「ああ、美奈子だってそうよ」
華奈子がまた横から言う。
「実際のところはね」
「そうなの」
美奈子も同じであるという。話はさらに動いていた。
第百三十六話 完
2008・9・30
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ