第百三十四話
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第百三十四話 シャボンの秘密
「まずは春奈ちゃん」
「うん」
美奈子はまず春奈に声をかける。春奈は少し頼りない感じの言葉を返した。
「春奈ちゃんの魔力もね」
「あがってるかしら」
「シャボン玉使ってみて」
春奈の水の魔法の基本中の基本の魔法だった。
「それ。いいかしら」
「わかったわ。それじゃあ」
美奈子の言葉に従い魔法を放つと早速無数のシャボンが出て来た。それは忽ちのうちに春奈だけでなく六人全体を包み込んだのだった。
「この量よ」
「シャボン玉の量?」
「ええ。前はこんなに多くなかったわね」
「そんなに多いかしら」
反応が華奈子のそれと同じだった。やはり自覚のない春奈だった。
「私の今のシャボン玉」
「桁が一つ違うわね」
「そんなに?」
「ええ。見て」
ここで漂うシャボン玉を指し示して春奈に言う美奈子だった。
「前はこんなに多くなかったわ、絶対にね」
「そういえば」
「一〇〇あったのが一〇〇〇位にね」
そこまで違うのだった。
「これは大きな違いよ。それに」
「それに?」
「ほら、まだ漂ってるわよね」
美奈子はその宙を漂うシャボン玉を指差していたのだった。
「こんなのって前はなかったわよね」
「あっ、確かに」
「春奈ちゃんも魔力があがってるのよ」
また微笑んで春奈に述べる。
「それもかなりね」
「華奈子ちゃんと同じでなのね」
「そうよ、華奈子と同じ」
微笑んでまた春奈に言う。
「魔力があがってるのよ」
「シャボン玉だけじゃなくてね」
「その通りよ。華奈子と違ってお水自体は変わっていないけれどね」
「時間と量なのね」
「そういうことよ」
春奈の魔力の上昇はそこに出ていたのだ。ここが華奈子と違っていた。42
「凄くなってるわ」
「じゃあ。これからも」
「頑張ってね。まあこれは」
ここでまた微笑む美奈子だった。
「春奈ちゃんに限っては大丈夫ね。努力家だしね」
「それは。私は」
こう言われると顔を赤らめさせる春奈だった。この辺りは相変わらずだった。
第百三十四話 完
2008・9・22
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