青葉時代・宣告編
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て皆に頼られる立場だろ? そんなお前が死にそうな顔で患者さんを診てどうするんだ。医者としての心構えは教えたろ」
「はい……、身に叩き込まれましたね。忘れられる訳がありません」
ぐずぐずと泣き出す彼に微苦笑を浮かべて、その背を撫でる。
優しい子だった彼に忍びとして生きるよりも人の命を救う職業に就いたらどうだと私が勧めて、医療忍術を教えつつ医師としての心構えを教えたんだっけ。
そういう意味では彼も私の弟子の一人で、私の忍道ではないけれど……意思を継いでくれる里の一員なのだ。
彼の中だけじゃない。
ヒルゼン君やダンゾウ君、ビワコちゃんといった木の葉の未来を担う子供達の中にだって、私が死んだとしても彼らに根付いた私の意思や思いは残っていくんだなぁ。
――――それが分かって、とても嬉しいと心から思えた。
首に手を当てて、そっと視線を伏せる。
包帯と布で隠した私の首には一年前の死闘の際につけられた枷の様な痕はまだ残っている。
一年たっても消えない以上、多分この先も――それこそ私が死ぬまで私の首にこの痕は残るのだろうと予測している。
マダラ、お前は後世にまで伝わる物があるとすればそれは憎しみしか無い、と言ってたな。
――けど、それはどうやら正しい答えじゃないみたいだぞ。
小さく笑って、心の中で今はいないあの石頭の馬鹿野郎へとそっと呼びかける。
さて、残り少なくなった人生。目一杯するべき事をやっておかないとね。
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