第百二十八話
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第百二十八話 廃墟にて
「うわ、これって」
「ここまでする?」
六人は鉄人が暴れた不良高校の跡地を見て唖然としていた。最早そこにあるのは廃墟だけで無残な屍はもう警察や自衛隊に片付けられた後であった。それでも瓦礫は残っているのであった。
「地震の後みたい」
「いえ、これ怪獣でしょ」
博士は怪獣を使うことも大好きだ。それで時々竹島やならず者国家の首都に海獣達を送り込んだり怪獣島にしたりして遊んでいるのである。
「もう完全に」
「どっちにしろロボットだからね、今回」
あらためて鉄人のことが述べられる。
「どっちにしても酷いわよ」
「酷いっていうかねえ」
「今回犠牲者何人?」
「四百人」
実に恐ろしい数字であった。
「それだけ死んだんだって」
「四百人ねえ」
「まあこの学校ってね」
ここで華奈子が言う。
「皆札付きばかりだったんでしょ?」
「ええ、そうよ」
美奈子が彼女に答える。
「それこそヤクザ養成機関だったんだけれど。何度も退学になった人が最後に辿り着く」
「それでも。これは」
「あの博士らしいけれどね」
この一言で済むのが最も怖かった。
「本当に」
「まあとにかくよ」
華奈子はその廃墟を見ながらまた述べる。
「今度は鉄人よ」
「ええ」
「わかってるわ」
皆も彼女の言葉に頷く。
「ある意味いつもの巨大ロボットより悪質ね」
「そうね。だって」
今度言うのは美奈子だった。
「動かしているの博士だし」
「そうそう」
ここが問題であった。
「何するかわからないっていうか」
「した結果がこれ」
目の前の廃墟である。
「どうしたものかしらね、今度は」
「そうねえ」
華奈子が双子の姉妹に答える。
「博士自身を倒すしかないんじゃないの?」
「それってかなり難しいっていうかあの博士多分不死身よ」
「実に始末が悪いわね」
あらためて博士のとんでもなさを確認する六人であった。何はともあれあらたな戦いがはじまっていた。
第百二十八話 完
2008・8・29
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