第百二十四話
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第百二十四話 空から
空から降ってきたのは雨ではなかった。確かに水もあったがそれだけではない。それ等は複合であった。
「まずは水!?」
「そして!」
次は光、土即ち石、風、音、最後は火。そこに雷やら氷やらまで降り注ぐ。六人が見たこともないような、まさに爆撃の様なものであった。
「石まで来てるわよ!」
「雷まで!」
六人はまずはそういったものから逃れようとした。
「早く、バリアー!!」
「え、ええ!!」
六人で慌ててバリアーを張ろうとする。しかしだった。その途中で彼女達は気付いたのだった。
「あれっ、石も雷も」
「そうね。私達には当たっていないわ」
そうなのだった。何故か石も雷も全て彼女達を襲わずゴッキローチ達だけを襲っていたのであった。それで彼等を次々と倒していっていた。
「ひょっとしてこれこそが」
「先生達の」
「はい、そうです」
それに応えて先生の明るい声が上から聞こえてきた。
「私達が二人で出している魔法」
「それがこれなんですよ」
同時に小百合先生の声も聞こえてきた。これこそ二人で魔法を出していることの何よりの証拠であった。
「名付けてハイパーソニックソウル」
「如何でしょうか」
「ハイパーソニックソウル」
華奈子はその技の名前にまずいぶかしむ顔になった。
「確かに凄い名前だけれど」
「技のイメージに合っていないとか?」
「いや、そうも思わないけれど」
こう美奈子に返しはする。
「けれど。何かね」
「引っ掛かるものがあるとか?」
「まあそんなところ」
首を捻りつつ正直に述べたのであった。
「何かねえ。かなりね」
「私は別にそうは思わないけれど」
だが二人が話をしているその間にも。ゴッキローチ達はどんどん倒されていく。そして遂には周りにはゴッキローチは一匹もいなくなりヤクザ屋さんや暴走族が転がっているだけになっていた。38
「凄い威力」
「確かに」
威力は流石と言えるものであった。
「もう誰も残っていないし」
「こんなに凄いなんて」
「さて、それでは」
「これを日本全国に」
「放ちますので」
だが先生達の魔法はここだけではなかった。何とここぞとばかりにこのハイパーソニックソウルを日本全土へ放つというのだ。しかもそれはすぐに実行された。
こうしてまずゴッキローチ達は消えた。瞬く間にだ。しかし博士との戦いはまだ終わりではなかった。むしろこれからなのであった。
第百二十四話 完
2008・8・18
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