第百二十三話
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第百二十三話 二人の先生の魔法
「行きましょう」
「ええ、久し振りに」
顔を見合わせたまま笑顔で言い合う二人の先生。今の二人のこの言葉に華奈子と美奈子はあることに気付いたのであった。そのあることとは。
「そういえば先生達って」
「ええ」
他ならぬ先生達のことである。
「魔法使いの中でも凄腕だったのよね」
「今田先生はそうらしいわね」
まずは今田先生について語るのだった。
「それに小百合先生もやっぱり」
「金色と銀色の法衣って確か」
実は法衣にも特徴があるのだ。普通のカラーの法衣、丁度今華奈子達が着ているそれは簡単に言えば誰でも着られるのだ。それぞれが得意とする魔法の色なのだから。
しかし金色や銀色のものは違うのだ。こうした光る色の法衣を着られるというのは。それこそかなり高位、しかも魔女、魔法使いとして最高ランクが金色と銀色なのである。
「最高ランクだったわよね」
「言われて思い出したわ」
こうしたところはいい加減な華奈子であった。
「今あんたに言われて」
「ってあんた一応魔女なんでしょ?」
先生達を見たまま双子の相方に呆れた声を返す美奈子であった。
「そんなのも知らないなんて」
「先生が凄いってのは知ってたけれどね」
流石にこれはわかってはいた。
「けれど。法衣までは」
「全く」
「とにかくよ」
話をしている間にも先生達は動いていたのであった。よくよく考えればお喋りをしている状況ではない、だがせざるを得なかったのである。
「先生達、何か」
「あの魔法・・・・・・何?」
二人の先生達の姿が消えた。そして次の瞬間には。
「何処なの!?」
「気配まで」
六人は必死に先生達を探した。だが何処にもいない。やはり気配すらない。それで咄嗟に探るがそれでもであった。完全に何処かへと消えてしまっていたのだ。
「先生、何処に!?」
「まさかこれも魔法なのかしら」
「姿を消す魔法!?」
華奈子は美奈子の言葉に応えた。
「ひょっとしてこれって」
「それだけじゃないかもね」
美奈子独特のその鋭さが発揮された。そしてその勘は。
「!?来た!」
「これって!」
空から雨が降り注いだ。いや、それは雨ではなかった。
「な、何てことなの」
「まさかこれが」
何かが起こったのだった。二人だけでなく六人全員が思わず息を飲んだ。果たしてそれは何なのか。驚くべきものであるのは確かだった。
第百二十三話 完
2008・8・18
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