第百二十一話
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第百二十一話 テレビで観ていても
博士が某国に恐ろしいものを放ち悦に入っていた頃華奈子達はとりあえず今田先生のお家にいた。そのお家で博士の悪事を観ていたのだ。
「何よ、今度はまた」
「相変わらずダイナミックな博士ね」
華奈子も美奈子もこう言うしかなかった。
「あの博士って本当に何考えているんだろ」
「それわかったら博士と同じ思考回路ってことになるわよ」
美奈子の華奈子に対する突っ込みはかなり容赦のないものだった。
「華奈子、あんなことできる?」
「お金と技術があっても発想はないわね」
「そもそもお金の作り方がどうせ碌でもないものでしょうしね」
これは容易に想像がついた。何しろ平気でそこいらの暴走族の内臓を抜き取ってそれを売ったりサイボーグにしてテロ組織に売り飛ばしたりするのだ。およそ人間として考えられる限りの非道を尽くして金を調達しているのだ。他には宝石を造ることもある。
「その博士とこれからやり合うんだけれど」
「そういえばあのゴッキローチは?」
華奈子はゴキブリ達のことをふと思い出したのだった。
「何か今のところ姿が見えないけれど」
「相変わらず日本中で暴れ回っているわよ」
何時の間にか騒ぎは日本中に広まっていた。
「この辺りにもね」
「じゃあ早速退治開始ね」
「そういうこと。とりあえずあの国はいいとして」
「いいのね」
「どうせどっかの特撮ものの悪役みたいな国家よ」
そうした国家が実際にあるのだから世の中恐ろしい。さらに恐ろしいのは特撮ものの悪役みたいな博士が暴れ回っていることであるが。
「放っておいてもいいわよ。毒を以って毒を制すよ」
「どっちも猛毒ね」
「ええ。最悪のね」
博士とその国のことである。
「そんな連中だからとりあえず何があっても私達はノータッチ。行くこともできないし」
「あたし達は博士の相手ね」
「ええ、それじゃあ」
まずはすくっと席を立った。他の四人や使い魔達も一緒だ。しかし今回一緒なのは彼女達だけではなかったのだった。
「ではでは」
「私達も」
「今田先生、小百合先生」
二人の先生がにこにこと笑って一緒に立っていたのである。
「私達も御一緒させてもらいます」
「それで宜しいですね」
「はあ、まあ」
「私達は別に」
六人には異存はなかった。
「先生が来て頂けるのでしたら凄く助かりますし」
「じゃあ香ちゃん」
「ええ、小百合ちゃん」
今先生の名前がわかったのだった。
「行きましょう」
「久し振りに二人でね」
「楽しみましょうね」
こうして二人で笑顔で向かい合いながら六人と一緒にお家を出た。二人の先生はもう法衣を着てそこにいたのであった。
第百二十一話 完
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