第百二十話
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第百二十話 やっぱりこんな宴
博士は突如巨大なモニターを部屋の壁に出して来た。そこに映っているのは何かロスとワールドみたいな光景だった。不気味な異形の怪獣達がジャングルをうろついている。
「これ、何処ですか?」
「北朝鮮じゃ」
博士はいきなり訳のわからないことを小田切君に告げてきた。
「見ればわかるじゃろうが」
「北朝鮮にジャングルが?」
「少し改造したのじゃよ。空から少し薬や種を撒いてな」
どういった薬や種を撒いたのかはもうあえて聞かなかった。どうせとんでもないことをしたのは容易にわかったからだ。だから聞くまでもなかったのだ。
「どうせあそこは禿山だらけじゃ。いいじゃろう」
「朝鮮半島の気候でジャングルなんて」
「細かいことはどうでもいい」
博士は気候だのは無視できる技術を持っているのだ。
「とにかくじゃ。ちょっと演出をしておいたのじゃよ」
「演出ですか」
「怪獣にはやっぱりジャングルじゃろ」
博士の気紛れの考えによる趣味である。
「だからじゃ。ちょっと細工をしてな」
「そうでしたか」
「それでじゃ」
見れば怪獣達は好き勝手に暴れ出している。それから逃げ惑う人々も見える。あの人民軍が迎撃しているが一方的にやられているだけだ。
「軍隊もかたなしですね」
「よいぞよいぞ」
その軍が一方的にやられていく姿を見てまた悦に入る博士だった。ワインを楽しそうに飲んでいるがまた印象的である。
「やられておるわ。もっとやるがいい」
「もっとって博士」
「何じゃ?」
「絶対死人出ていますけれど」
「そうかもな」
完全に他人事の感じだった。
「だがそれがどうかしたのかのう」
「どうかしたのかって」
「ほれ、あの醜い凱旋門が壊れた」
ついでに誰もが知っているあの銅像が踏み潰された。見事なまでに粉々になってしまい後に残っているのは瓦礫の山だけである。
「今度は宮殿も。楽しいのう」
「全世界レベルで問題になりません?」
「忌まわしい独裁国家が災厄に逢っておる」
今度はフォアグラのソテーを食べている。やはりワインもまた。
「何処が悪いのじゃ」
「何処がって言われますと」
「それにじゃ」
博士はまた言う。誇らしげに。
「禿山に緑の木々を植えたのじゃ。いいことじゃろ」
「何か禿山っていうよりは」
どう見ても街も何もかも怪獣と同じ位不気味な巨大植物に覆われている。中には食虫どころか人まで含む大型の哺乳類まで襲いそうな植物まである。それもまた人々を襲っている。
「どうなるのかな、あの国」
「さあ。そういえば前も博士が怪獣送って滅茶苦茶にしていたし」
「何とかなるんじゃないかな」
達観に達したライゾウとタロの言葉が締めとなった。とりあえ
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