第百十七話
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第百十七話 先生のお家で
先生の家に来た。ここまでは実に平和だった。
「あれ、ゴキブリいないね」
「そうね」
「結界を張っていますので」
今田先生は六人ににこやかな笑みで述べる。
「それでなんですよ」
「結界を張っておられるんですか」
「ですからここには正義の味方の方々もおられません」
そういうことであった。
「ただし」
「ただし?」
「結界はこの辺りだけです」
ということであった。先生の言葉では。
「ですから少し行けば出ますよ」
「そうですか」
「それでですね」
先生はこう述べたうえで話に入ってきた。
「入りましょう、お家に」
「パーティーにですか」
「そうです。もう御馳走は用意していますよ」
「それはいいことですね」
先生のその言葉に小百合先生が笑顔で応える。
「それでは皆で」
「はい、皆で」
先生は小百合先生の言葉に頷く。二人の笑顔が鏡合わせの様になる。
「楽しみましょう。いいですね」
「わかりました」
華奈子が代表して答えてきた。
「それじゃあ皆で」
「そうね」
「折角だし」
他の五人もそれに頷く。
「けれど先生」
「はい?」
ここで華奈子の問いに応える。
「使い魔達もいいですか?」
「勿論ですよ」
返事は快諾であった。
「魔女にとっては分身ですから。どうぞ」
「じゃあタロ、ライゾウ」
「うん、御主人様」
「行こうぜ」
二匹もそれに頷いて先生の家の門を潜る。いよいよであった。
「それにしてもねえ」
「どうしたのよ」
「あたし達って食べてばかりじゃない?」
華奈子はこう美奈子にぼやくのだった。
「何気に。どうかしら」
「気にしないことね」
相方への返答はこうであった。実に素っ気無い返答の後で宴に向かうのだった。
第百十七話 完
2008・6・24
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