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対決!!天本博士対クラウン
第百十六話

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               第百十六話  帰って来た魔女達
 やっと修行を終え街に帰って来た華奈子達。駅に降りるともうそこにはゴッキローチ達がうろうろして善良な市民達を襲っていた。
「明らかに悪化してない?」
「認めたくないけれどそうね」
 美奈子が華奈子に答える。六人は街まで一緒に来てくれた小百合先生と一緒に駅を出たのだ。その目の前でいきなりそれだったのだ。
「至る所ゴッキローチだらけ」
「あちこちでテレビで見た正義の味方が戦ってるし」
 美奈子と華奈子は遠い目になっていた。その目での言葉だった。
「あとさ。あたしの気のせいならいいけれど」
「何?」
「ゴキブリ、自然増殖していない?」
 丁度一同の目の前でゴッキローチの一匹が分裂して二匹になっていたのだ。アメーバの様に。
「気のせいならいいけれど」
「残念だけれど気のせいじゃないわ」
 美奈子はこう華奈子に対して答えたのだった。
「どう見ても自然増殖しているわ」
「そうよね。どんなゴキブリなのよ」
「あら、お帰りなさい」
 そのとんでもない光景の中で。今田先生が奇麗な白いドレスとパラソルというお嬢様かお姫様そのままの格好で一同の前にやって来たのだった。
「皆さんお元気そうで何よりですね」
「あの、先生」
 華奈子が最初にその先生に声をかける。
「はい。何でしょうか」
「物凄いことになってるんですけれど」
 今の惨状がわかっていないというより見えていないとしか思えない先生に対する言葉である。
「どうすればいいんですか、解決するには」
「はい、それは凄く簡単でして」
「簡単!?」
「そうなんですよ」
 おっとりとした調子で華奈子に返答する今田先生であった。
「では皆さん」
「はい」
 六人は先生の言葉に応える。応えながらその全身に緊張をみなぎらせる。今まさに決戦の時かと身構えたのである。まだ魔女の服を着ていなくとも。
「まずは先生のお家へどうぞ」
「えっ!?」
「先生の!?」
「はい、そうですよ」
 この先生らしいにこやかな返事だった。
「折角皆さん帰って来られたんですからまずは御祝いです」
「御祝いって」
「今それどころじゃないんじゃ」
「それは御心配なく」
 先生のおっとりは変わらない。
「ではいざ我が家へ」
「はあ。そう言われるんでしたら」
「それで」 
 こうしてまずは先生の家に向かう六人だった。小百合先生も一緒である。


第百十六話   完


                  2008・6・23
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