第百五話
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第百五話 死体の捨て方
とりあえずその白骨の山を処分することになった。しかし、であった。
「あの、博士」
「何じゃ?」
小田切君の問いに対して顔を向ける。
「凄い今更って気がしますけれどいいですか?」
「随分もったいぶっておるな。どうしたのじゃ」
「そこの白骨だの肉片だのを処分するんですよね」
「うむ」
話はそこであった。
「それですけれど。どうすれば」
「その辺りに捨てておけ」
「だから凄い今更ですけれど犯罪ですよ、それって」
こう博士に言う小田切君だった。
「死体遺棄で」
「何じゃ、そんなことか」
「そんなことって」
死体遺棄という重罪を前にしても平気な顔の博士に困惑するしかなかった。
「捨てたらそれこそ犯罪ですよ。刑務所に入れられるレベルの」
「そういえば刑務所にも何回か入れられたことがあったのう」
ふと昔のことを思い出す博士だった。
「ちょっとばかり凶悪犯の脳味噌をいじくったら陸軍だの内務省だのが怒ってのう」
「戦前ですか」
「うむ、戦前じゃ」
随分と昔の話になっていた。
「思えば昔よのう」
「昔はいいですけれど本当にどうするんですか?」
小田切君は死体の処理が気になって仕方がない。幾ら世の為人の為にはならない屑達とはいえやはり死体遺棄はまずいのだ。既に殺人だからそれはもう言わないのだった。
「そこいらに捨てたらやっぱりまずいですよ」
「海にでも捨てればいいではないか」
「だからそれも犯罪ですって」
立派な犯罪である。といってもこの博士には法律を守るという意識は全くないのだが。
「どうしますか、本当に」
「ふむ。捨てるのが駄目とするとじゃ」
「ええ」
「一つ解決する方法があるな」
博士はまた何か思いついたようだった。
「丁度いい方法がな」
「方法!?」
「うむ、それではだ」
早速またおかしな行動を開始するのだtった。
「また一つ発明しようぞ」
「発明、ですか」
「とりあえず暴走族を三十人程度連れて来い」
「どうするんですか、一体」
「とりあえずわしの偉大なる生体実験に奉仕する栄誉を与える」
要するにまたデクとして扱い死体として捨てるということだ。
「それとこれからの発明との関係は?」
「ない」
一言だった。
「ちょっとしたストレス解消ですか」
「そうじゃ」
「それだけ好き勝手やってストレス溜まるんですか」
とりあえず突っ込みを入れる小田切君だった。すぐに暴走族が三十人博士に捕まり生体実験の素材として一応行方不明扱いとなるのだった。
第百五話 完
2008・4・30
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