第百二話
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第百二話 お団子
皆は美奈子からその赤と青のお団子を受け取った。使い魔達にも小さく千切ったりして分け与える。それから皆で食べはじめた。
「あれっ、この赤いのは」
「それは黍団子の味よ」
美奈子は華奈子に答えた。
「それで青いのは笹団子の味なの」
「へえ、そうなんだ」
「外見からは想像できないでしょ」
「ええ」
食べながら美奈子に答える。
「確かに黍団子の味ね。それでこっちは笹団子」
「外見からはわからないわよね」
「まさか黍と笹なんてね」
首を傾げる。だが本当にその味なのだ。
「思わなかったわ。けれど美味しいわね」
「ただ体力や魔力を回復させるだけじゃ味気ないじゃない」
美奈子は言う。
「だから。こうして味付けしたのよ」
「成程ね」
皆美奈子のその言葉に納得して頷く。
「いいアイディアね」
「これなら幾らでも食べられるわ」
「とりあえずこれで体力と魔力は全快できる筈よ」
美奈子はまた皆に告げる。
「お団子の数はまだかなりあるしね」
「わかったわ。じゃあ美奈子」
華奈子は今度は青い団子を食べながら美奈子に対して言う。
「何?」
「とりあえずこれがあるのは助かるわ」
「そうでしょ。とにかく数はたっぷりとあるから」
美奈子はまた答える。
「安心していいわ」
「了解。あと聞きたいことがもう一つあるわ」
「何かしら」
「味だけれど」
華奈子が尋ねたのはそれについてであった。
「他の味とかもできるの?」
「ええ、できるわよ」
美奈子はその質問にも答えた。
「例えばバナナ味にしたり林檎味にしたり」
「できるのね。便利ね」
「基本的には体力や魔力を回復させる為のものなのよ」
そこを言う。
「けれどそのままじゃ味がないから」
「味を付けて」
「ええ。じゃあ皆、食べ終わったら」
「わかってるわ」
「出発ね」
「そういうこと。気をつけて行きましょう」
皆美奈子の言葉に頷きまた歩き出す。最後の関門まで気は抜かないのだった。決して。
第百二話 完
2008・4・24
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