第百話
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第百話 絨毯爆撃
五人は華奈子の言葉のままにミイラ男に対して上から集中攻撃を順番で浴びせる。それはそれぞれかなりの攻撃でありミイラ男からの反撃さえ封じてしまっていた。ここでタロとライゾウが華奈子に対して問うた。
「これが作戦なの?」
「順番で派手に攻撃するのが」
「ええ、そうよ」
それに華奈子が答える。
「これが作戦なのよ」
「狙いを定めなくていいの?」
「適当で」
「それでいいのよ」
しかし華奈子はそれでよしとするのだった。
「見て」
「!?」
「ミイラ男をよ」
また二匹に告げる。華奈子に言われるままにミイラ男を見ていると。
「かなりダメージ受けているでしょ」
「そういえば」
「思ったよりもずっと」
二匹がそれに応える。もう包帯はボロボロで動きもかなり鈍っていた。あともう少しで倒れそうになっているのがわかる。
「それで。ミイラ男の弱点は」
「火だろうね」
「間違いないよな」
タロとライゾウにもそれはすぐにわかった。
「何せ包帯だからな」
「それしかないよな」
「そういうこと。じゃあ行くわよ」
「わかったよ、御主人」
「じゃあ行くぜ」
「行くわよ!」
華奈子は二匹を従えて一斉攻撃に入る。出すのは当然火だ。上から無数の火の玉をこれでもかという程出してそれが終わった時には。ミイラ男は消え去ってしまっていた。
「よっし!」
華奈子はミイラ男が消え去ったのを見て箒の上でガッツポーズをする。
「やったわね、これで」
「ええ、これで全部ね」
美奈子が側に来て華奈子に応える。
「これで六体の魔物を全員やったわね」
「そうよ。さて」
満面に笑みを浮かべてまた言う華奈子だった。
「これまでの戦いで身に着けたものを博士にぶつけてやるわ」
「そうね」
「皆さん」
下から小百合先生が六人に声をかけてきた。
「先生」
「では。最後の関門に行きましょう」
「えっ!?」
皆これを聞いてまずは思わず口を開けてしまった。
「最後の関門!?」
「これで終わりじゃなかったの!?」
「ですから。最後ですよ」
話がかみ合わないまま最後の関門となる。六人にとってはまさに寝耳に水であった。
第百話 完
2008・4・21
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