第一話
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対決!!天本博士対クラウン
第一話 最初に
「皆さん」
コンサートを終えたクラウンの面々が塾に来ると早速今田先生が彼女達に明るい声をかけてきた。見ればその笑顔も実に明るい。
「コンサートお疲れ様でした」
「はい」
六人はそれに笑顔で応える。笑顔だが何気に事情はわかっていた。
「それでお疲れだとは思いますが」
(来たわね)
六人は先生のその言葉を聞いて来た、と思った。だがそれはあえて口には出さない。あくまで黙って聞いている。
「先生はあることを皆さんにお願いしたいです」
「それは何ですか?」
予定調和である。梨花が手を挙げて尋ねてきた。
「はい、実はですね」
先生はにこにことしたまま述べる。
「最近街に困った人が出ています」
「困った人!?」
「そうです。天本破天荒という人ですが」
(やっぱり)
(その博士となのね)
六人は心の中で思った。しかしやはりと言うべきかそれは決して口には出さない。心で思うだけであった。
「その人を止めて欲しいのです」
「その人ってどんな人ですか?」
「科学者です」
先生は今度は華奈子の質問に答えてきた。
「科学者!?」
「そうです、街の科学者でして。博士と呼ばれています」
それだけで随分怪しい印象を受ける。実際に怪しいどころか危険極まりない人物なのでこの言葉は当たっていた。世の中悪いこと程よく当たるのである。
「その人を止めて欲しいのですが」
「任せて下さい」
赤音が名乗り出てきた。
「どんな人かはまだわからないですけれど」
「私達六人いればね」
美樹がそれに続く。
「誰だって」
「そうです。ですから先生」
美奈子が先生に対して言う。
「任せて下さい」
「やってみせます」
いつもは大人しい春奈も名乗り出る。六人が揃った。
「いいのですね?」
「勿論!」
華奈子が言う。
「やりますから」
そしてリーダーの梨花が。彼女達はやる気であった。
「わかりました」
先生はそれを聞いて満足そうに頷いた。
「では今度は先生も見守りますね。頑張って下さい」
「えっ」
「先生まで」
ここで先生がフォローに回ると言ってきたのは六人は予想していなかった。若しかすると相手は。彼女達の心の中に一抹の不安がよぎるのであった。
第一話 完
2007・1・15
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