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戦国異伝
第八十三話 明智の覚悟その十二
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さい」
「いえ、お見事です」
 だが丹羽は微笑んでその細川にこう返した。
「それだけの舞を舞われるとは」
「ならいいのですが」
 こうした話をしているうちにだ。ふとだった。
 細川の家臣達がだ。丹羽の家臣達にこう話したのだった。
「実は我等の殿はです」
「舞だけではないのです」
「といいますと」
「他の芸も身に着けておられるのですか」
「そうです」  
 その通りだとだ。彼等は丹羽の家臣達に答えた。
「茶道も御存知ですし和歌も嗜まれます」
「それに料理もできまする」
「ほう、それはまた見事です」
「かなりの風流人なのですな」
 丹羽の家臣達もその話を聞いて言う。実際にだ。
 細川は優雅な舞を舞いそのうえでだ。周りを満足させていた。彼のその舞は宴を飾った。そしてそれはだ。そのまま織田家の祝いの舞であった。


第八十三話   完


                  2012・3・16
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