第八十三話 明智の覚悟その六
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った。今度はこう言ったのである。
「じっくりと時間をかけてできるものではありませぬか」
「大器晩成ですか」
「そうです。明智殿は大器であるが故にです」
「時間がかかったと仰るのですか」
「そう思いますが」
「ならばいいのですが」
ある程度丹羽の言葉を受け入れた言葉だった。とはいってもその顔はまだ浮かずそすいてだ。あまり歯切れのよくない声で述べたのだった。
「これからはせめて。母上や女房には楽をさせたいですな」
「お母上にも」
「そう思っています」
「そうですか。そこまでお母上を大事にされるのは」
丹羽はここで思ったのだった。彼に似ていると。そのうえでの言葉だった。
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